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フルスクラッチビルド & ソリッドモデルの製作

ブリストルジュピター7F(1/12フルスクラッチ紙模型)

  by TOSHI

 英国ブリストル社が1920~30年にかけて量産したジュピターエンジンシリーズの7F型の1/12模型を厚手(250gsm)のコピー用紙を主な材料に作りました。
空冷単列星型9気筒28.7Lの航空用レシプロエンジンの傑作です。英国だけでなくフランスやドイツ、イタリアでもライセンス生産されました。戦間期でありながら数千基が量産され多くの航空機に搭載されています。日本の中島飛行機も1925年にジュピターVI型の製造権を取得しています。



1903~1945年の航空用レシプロエンジンの歴史を1/12紙模型で辿る試みの中で最も難関である「空冷複列星型エンジン」のBMW801や栄12型の習作のつもりで作りました。単列でも100時間以上かかりましたので、より複雑な複列ですと毎日3時間かけても2か月以上かかりそうです。



制作工程をごく簡単ですが紹介します


9気筒エンジンですので正9角形のクランクケースを作って、これを土台に部品を追加していきます。


実機写真を参考に補器類を取り付けました。
紙で表現できる程度に省略しています。


シリンダブロックは竹楊枝を芯にして円板状の紙を積層してフィンを表現しました。


シリンダブロックを同じ形で作るのは難しいですね。吸気管は1mmのアルミ線にコピー用紙を巻きつけて作りました。


プラグコードはタコ糸を解し水性ボンドで固めて用いました。実機写真を参考に配線の取り回しをしていますが随分と複雑ですね。
点火エネルギーの損失が大きそうです。各気筒に点火プラグは2本設置されていますので18本の配線を施しました。

完成した模型を方向を変えてご紹介します。
いつもながらプラスチックや金属には精密感は到底かないませんが、紙ならではの表現が出来ればと思っています。











出力は異なりますが液冷のロールスロイスマーリンと並べると、冷却方式でエンジンの構成が大きく異なることが実感できます。
三式戦から五式戦に改修した技術者の苦闘が偲ばれます。
本作で1/12エンジン紙模型も25作目になり、当初目標の30作のゴールが見えてきました。技術的な流れをより深く理解するため更に10~20作をリストアップしています。


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