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特集 今は無きメーカーのプラモデル

NISSAN SKYLINE/PORSCHE 959
(MITUWA MODEL NON) LAST MID RACERS

by 五六式(TYPE-56)



 今回は,ミツワモデルのミッドレーサーシリーズからスカイライン(R31)とポルシェ959を製作しました。

<実車について>

ニッサン スカイライン(R31) 1985~1990

   2代目のスカイラインより永らく開発責任者であった桜井眞一郎が最後に関わった7代目のスカイライン。
 ローレルやレパードとプラットフォームを共有するハイソカー寄りのモデルであったが,スカイラインという名前の車にスポーツ性を要求するユーザーには不評で,デビューの翌年,車体剛性を強化し,ターボチャージャーを改良した2ドアスポーツ・クーペが追加された。

ポルシェ959 1986~1993


 ポルシェ社が1970年台後半より開発を進めていた四輪駆動システムを搭載し,世界ラリー選手権グループBに参加するべく開発された高性能クーペ(200台生産を条件とするグループBカテゴリーは,あえなく廃止。全生産台数は283台)。911と似たシルエットだが,共有するボディパネルはない。
 1985年にバリ・ダカールラリーに出走したがシステム未成熟のため,参加した3台が全てリタイア,しかし,翌1986年には,圧倒的パフォーマンスを発揮,出走した3台が総合1位,2位,6位となった。 


<ミッドレーサーについて>


 ミツワのミッドレーサーは,CカーやグループAツーリングカー,ラリーカー,F-1などをデフォルメして1/43スケールのミニカーのサイズで模型化したキット群です。プルバックゼンマイを組み込んで走行,インテリアは省略して中のゼンマイユニットが見えないようスモークグレーの窓を組み込むようになっています。
 車体の部品は,基本塗装済みで,接着不要で本体が完成,後は,デカールを貼るだけというのが本来の楽しみ方です。また,一時期,ブリスターパック入りの完成品も発売されていました。
 ポルシェ956のキットに962のマーキングのデカールを添付して962として発売したり,F-1もF3000もインディカーも同じ車体でデカールだけ違えてリリースするなどやや強引な手法でバリエーションを広げていき,膨大なコレクションを形成(SCALE MATESというサイトで紹介されているのは,再販品を除いて40種あまり,紹介されていないけれど五六式が知っているもの多数)するに至りました。
 ミツワモデルは,2010年台の早い時期に廃業し,これらのキット群の新品としての入手は,極めて困難になりました。

<製作>

 ミッドレーサーの最終(と思われる)ロットは,コンパクトな箱と洒落たデザインが特徴です。が,この箱,塗装の参考になる写真やイラストが旧バージョンより減っていて,このことにより,デカールを貼る位置が一部不明となりました。完成させるには,旧バージョンの箱,もしくは,画像資料が必要です。
 今回は,レースカーとしてではなく,オーナーカーとして製作したのでマーキングの大半を省略し,好き勝手に塗色を決めました・・・汗・・・。
 本来は,前項で書いたとおり,お手軽に完成させるキットですが,ちょっと模型製作を囓ったことがある者なら見過ごすことのできない点がいくらかあります。

・スカイライン

  ゼンマイユニットとボディ本体との接続位置調整のためにスペーサーを入れる設計(このシリーズのBMW635やギャランVR-4なども同様)になっています。このスペーサーを取りつけるためにリアバンパーのど真ん中に大穴が空いています。一般ユーザーなら軽く流すところですが,モデラーの悲しい性ゆえにこれをどうにかせにゃならん。

①ゼンマイユニットの接続部を切断,切り取った切れ端とゼリー状瞬間接着剤とプラパテを使って穴を埋めます。
②ゼンマイユニットの方は,切断面を若干削って取り付けのためのクリアランスを確保します。
③後は,ひたすら整形,整形。

 ボディパーツは,スライド金型を使った一体成形ですが,パーティングラインとそれに伴う段差がバンパーの凹凸がたくさんあるところにできてしまいます。これも,ひたすら整形,整形・・・涙・・・。

・959

  リアウィングは,ごつい支柱を介してビス留めする設計になっています。一般ユーザーなら軽く流すところですが,モデラーの悲しい性ゆえにこれをどうにかせにゃならん。

①穴を埋めて,支柱を削って,ひたすら整形,整形・・・涙,涙・・・。
②リアウィングをがっちり接着し,段差や不自然な隙間をゼリー状瞬間接着剤とプラパテを使って埋めます。
③後は,ひたすら整形,整形・・・涙,涙,涙・・・。

 実車には,後輪のタイヤハウス前方にエアインテークがあります。部品の成形の都合上,省略されているので開口しました。

<完成>


ちょっと粗い感じですが,実物よりかなり大きく写っているのでご容赦を。

959のエアインテークの穴は,もう少し大きくてもよかったかもしれません。デカールにポルシェのエンブレムが無かったのは残念。



 リアバンパーの穴が塞がっているのが分かります。
テールランプは,デカールが用意されていますが塗装で再現しました。
GTSのプレートはデカールを台紙ごと切り取って両面テープで貼り付けています。



 リアスポイラー付近がすっきり整形されているのが分かります。
塗色は,タミヤスプレーのTS60パールグリーン。ホンダ・フィット用の色です。
気温のせいか,塗装後、あちこちで泡を吹いて再塗装することになりました。



フロントウィンドゥに傷があったのでペーパーがけをした後,スモークグレーをスプレーしました。   



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