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(Photo) 農業機 PZL-106
by コルディッツ
博物館実機写真
民間機の用途別専用機に「農業機」があります。種子や肥料、農薬等の散布を行いますが、低空での運動性能や視界の広さ、 堅牢性、操縦性、搭載力、整備性、経済性等の良さが要求され、専用機の開発が盛んに行われている分野です。
アメリカのグラマン社が開発したG-146 アグキャット複葉機が有名ですが、一大農業国であるポーランドでも農業機の開発が行われていました。中でもPZL-106 Kruk(カラス)は1973年4月17日に初飛行した御年50歳。275機以上が生産されました。
※ 本稿は博物館の標示とWikiedeiaを参照しました。
PZL-106A Kruk
ポーランド空軍博物館(クラコウ)にて 2011年5月撮影
乗員は1名でコクピットの位置が高く、視界は良好そうです。
エンジンはPZL-3S 7気筒空冷星型で、ソ連が開発したAI-26
を国産化したものです。出力500Hp。
下の写真はPZL-106のプロトタイプで、米国のライカミング
IO-720 エンジンを装備。見づらくて申し訳ございませんが、
水平尾翼の位置が高くなっています。
輸出機としても成功した機体で、アルゼンチンや東ドイツ
に輸出されています。東ドイツには54機が輸出され、統一
ドイツに引き継がれました。
PZL-106 Kruk SP-ZBH (たぶんA型)
技術博物館(シュパイアー)にて 2020年2月撮影
尾部の構成は実用本位そのものに見え、嬉しくなります。
ドローンの進化で、やがて有人農業機も無くなってしまう
のでしょうか。軽トラックを思わせる農業機は残ってもらい
たいです。
PZL-106が初飛行した年に、PZL M-15ジェット推進農業機の
試作機も初飛行しました。こちらは複葉で、最大速度200km/h
という「世界で最も遅いジェット機」とのことです。175機が
生産されましたが、農業機としての運用歴はないまま、引退
しました。写真は再掲です。
PZL M-15 Belphegor
ポーランド空軍博物館(クラコウ)にて 2011年5月撮影
多分その容貌からベルフェルゴという悪魔の名で呼ばれた
M-15は別として、農業機のスタイルは、その用途から自然に
似てしまうようです。米国のリーランド・スノウ社が1956年
に初飛行させた農業機エアーズ S-2R スワッシュ(Thrush)
も、PZL-106に似た風貌の機体です。
Ayres S2R Thrush (ツグミ)
ラウミ・コチ博物館(イスタンブル)にて 2019年3月撮影
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