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(Photo) Aero L-39 Albatros

by  コルディッツ
博物館実機写真

 アエロ L-39 アルバトロスは1968年11月4日に初飛行した、当時
のチェコスロバキアで開発された基本/高等練習機で、前作のL-29
練習機の後継機として、ワルシャワ条約機構加盟国や東側諸国で
採用されました。総生産機数は2,852機にも及び、軽攻撃型など
バリエーション展開がされ、現在でも現役であるのは、チェコの
高度な航空工業産業を物語っているように思えます。

  ※本稿は博物館の標示、「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)、
Wikipediaを参照しました。
 Aero L-29 Delfin 338  2014年8月撮影


ドイツ空軍博物館(ガトウ、ベルリン郊外)にて
 前任者のL-29は1959年に初飛行し、ワルシャワ条約機構加盟国
の標準練習機として採用され、その他の東側諸国でも運用され、
3,665機と大量生産されました。ただしポーランドは自国産のPZL
TS-11 イクラスを採用しています。
 L-29はT字型尾翼と直線翼が特徴の単発ジェット機で、タンデム
複座の後席がやや高くなっているそうです。今は亡き東ドイツの
マークが懐かしいです。デルフィンはチェコ語でイルカの意味。

 Aero L-39C Albatros  0107
 国立技術博物館(プラハ)にて       2005年4月撮影


 L-39は空気取入口を高い位置に置いて、L-29の欠点を解消しま
した。L-29の低い位置では、異物混入によるエンジン停止が発生
しやすいためです。主翼は直線翼に近く、翼端には固定式増槽が
装備されています。タンデム複座で後席が一段高くなっています。
 写真のC型は高等練習機型で、2,251機生産されました。アルバ
トロスはアホウドリの意味。

 Aero L-39 Albatros  3905
 チェコ空軍博物館(Kebly プラハ郊外)にて 2008年8月撮影


 チェコ空軍博物館は5機のL-39を所蔵していますが、SDカード
の容量が低い時代の拝観だったので、撮影はこの1枚きりで、機体
の型式は不明。新型コロナも収まったので、リベンジをしたい所です。

 Aero L-39 Albatros 144 2014年8月撮影
 ドイツ空軍博物館(ガトウ、ベルリン郊外)にて


 この機体も型式不明で済みません。主翼下にロケット弾ポットを
懸架しているので、ZO型以降の機体と思います。ZO型から主翼下に
ハードポイント4カ所を備えて、最大1,290kgの兵装を懸架できる
軽攻撃機として運用可能です。簡素で堅固な着陸装置も注目です。

 Aero L-39V Albatros 170 2014年8月撮影
 ドイツ空軍博物館(ガトウ、ベルリン郊外)にて


  V型は東ドイツ空軍専用に8機のみ生産された、単座の標的曳航機
です。後席の射出座席は取り外されているようです。


 Aero L-39ZO Albatros 08+28
 技術博物館(シュパイアー)にて      2020年2月撮影




 ZO型は兵器訓練型で、1975年に初飛行しました。主翼を強化し、
ハードポイント4カ所を備えました。347機生産。東ドイツ空軍機と
思いますが、由来等までリサーチが出来ず、申し訳ございません。




 L-39は民間でも使用されていて、最近の話題では「トップ ガン
マーヴェリック」の空中撮影と映画出演者の慣熟訓練に使われた
ことが上げられます。旧共産圏の機体であろうと、使える物は何
でも使うというアメリカの実用主義、合理主義は未だ健在です。
(映画撮影については映画パンフレットを参照しました)

 Aero L-39ZO Albatros 28+27
 自動車&技術博物館(ジンスハイム)にて   2020年3月撮影


  ドイツの博物館は、空間が不足しているようには見えませんが、
飛行姿勢で展示することが多いような気がします。運動性の良さ
を誇示していると推理しています。



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