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 (Photo) 三菱MU-2

by  コルディッツ
博物館実機写真
 三菱スペースジェット(旧称三菱リージョナルジェット)開発
中止が今年2月に決定しました。やむを得ない事とは言え、残念
でなりません。三菱重工業は第二次世界大戦戦前から民間航空機を
開発し、戦後もMU-2、MU-300と開発しましたが、今回のMRJ失敗
で、今後の民間航空機開発も中止になりそうな報道を目にし、
ガッカリです。1963年9月14日に初飛行成功の三菱MU-2は、当時
のアメリカ連邦航空局の型式証明を取得、ビジネス機として成功
しているので、今年は還暦でもあり、祝福されるべき年でした。
しかしMRJ(三菱リージョナルジェット)開発中止で忘れ去られ、
気の毒に思い、写真を取り出してみました。


  ※ 本稿は博物館の標示と「乗りものニュース」を参照しました。
 Mitsubishi-MU-2B-30  VH-NYM
ダーウィン航空博物館にて     2002年2月撮影


 私が海外の航空博物館で初めて見たMU-2です。当時はデジカメの
容量が少ないため、この1枚しか撮影できず、悔やんでいます。
 写真では分かり辛いのですが、40,000ドルかけた評判の塗装
だそうです。何を意味する塗装か、リサーチ出来ませんでした。
 私の個人的な見た目では、ブラックな機体の垂直尾翼に太陽が
描かれ、そこから彗星か地球が飛び出して機首まで伸びている図
に見え、アボリジニの神話世界を表現しているのではないかと
思いました。
 ところで本博物館は、不時着時の零戦21型(豊島一操縦)、
一式陸攻の一部、一〇〇式司偵の部品を展示、MU-2を加えると
三菱製のヒコーキを4機種展示している珍しい博物館です。

 三菱 MU-2B JA8737
 あいち航空ミュージアム(豊山町)にて  2017年12月撮影  


 MU-2は1963年に初飛行し、A型はフランスのチュルボメカ社製の
アスタズⅡK(562馬力)ターボプロップエンジン搭載でしたが、
アメリカへの輸出を念頭にB型からアメリカのギャレット・エア
リサーチTPE331(705馬力)搭載に変更しました。


 「主翼幅いっぱいに後縁フラップ(高揚力装置)を採用したこと
により、翼の面積を競合機と比べて大きくすることができ、STOL
性能の向上に寄与しました」(乗りものニュース 2022年9月14日
著者 種山雅夫 元航空科学博物館展示部長 学芸員 より引用)




 MU-2の総生産機数は762機。後継機のMU-300は双発のジェット・
エンジン搭載のビジネス機として開発されました。航空機の性能
以外の問題で、現在はレイセオンホーカー400と呼称され、現役
なことを考えると、MRJの失敗は不思議です。




 JA8737は1969年に製造、1989年から2008年まで三菱重工業小牧
南工場を定置き場とし、気象観測や探索飛行を行うダイヤモンド
エアサービスで運用されました。1991年から宇宙開発事業団が
種子島で打ち上げた実験用ロケットの回収探索飛行に使用されました。




 機首周りをなだらかな曲線でまとめ、如何にもハイ・スペック
な機体と想像させていると思います。







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