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ハリケーン Mk.1 (レベル 1/32)

  by 加藤 寛之



 エアフィックスの初期ハリケーンを作ったら急にレベル32のキットを作りたくなって、友人から無償でいただいた(ありがとうございます)。このキットは、イギリス・レベルが開発したものだそうだ。最初に日本国内で発売されたのは1971年12月ころらしいので、半世紀を越えた経歴をもつベテランキット。ドイツ・レベルがハリケーンの1/32新キットを発売したようだが、機首の長いMk.ⅡBらしい。私は機首が短いこの旧キットの型式の方が好きだ。
 キットは金属主翼タイプのMk.1で3枚ペラ。濃厚な凸モールドで表面が埋められている。後胴の羽布張り表現はそれほど強くなくで、ちょうど飛行中のへこみ具合程度に造形されている。パーツ割は、現在の目で見ると72キットが大きくなったくらいの感じよりも少なく、見えないところは大胆に省略している。レベル32のキットの通例で、機首上部のカバーを脱着式にしてエンジンを見られるようになっている。風防は可動で、そのためにやや背が高いのだが、許容範囲。このキットはパーツの接着部分の形を工夫して、左右の区別を明確にしてあり作りやすい。着陸灯パーツに僅かな影響が出ているものの、その工夫は評価したい。



  組む。
今回は形の修正などはせず、キットをそれなりに組むことに注力した。
コックピットは、全6パーツ+お人形さん。箱組みするだけの簡単さで精密感はないが、胴体左右を床板で固定する頑丈な構造は私好み。これでないと、当時の32サイズのキットはガタついてしまう。賢明な構造だと思う。
エンジンを組み込まないと排気管の接着場所がないから入れて、ガッチリと左右胴体の幅を確定させる。上部のカバーは接着して、胴体との面の流れをきれいに整えることにする。これで強度が高まり、胴体幅の固定に寄与する。
 組み図では主翼上面パーツをまず胴体に接着して、その後に下面パーツを接着する順になっている。私はこの順で組める自信がないので、主翼と胴体を別に組んで合わせる順で作った。そのためかどうかは分からないが、上反角が足りない。これは胴体側を大胆に削って、なんとかそれらしい上反角にした。内翼・外翼のところの上反角も不足しているように思えるが、気のせいか? 主翼は下面が平らなクラークY系の断面形になっていないので、機銃口付近や翼端のまとまりが実機写真と相違する。これはどうにもならないので、まあイイヤにして、主翼前縁の機銃口を埋めて塗りわけ位置も工夫して多少ごまかす。ぶ厚い後縁は、斜めに削り上げて、改善しておく。ついでに、フィレットと主翼後縁との線の流れが悪いので、かなり削り込んで改善。ここはパーツ分割にかかわる造形が原因なので、まあいいか程度でOKに。
 小物パーツ(32なので大きいが)の造形精度は、シャープさにはほど遠い。でも、出来上がると大きな全体の小さな部分なので、気にならない。それでも、脚カバーの厚みと内面造形には、造形のこだわりを感じられて好ましい。実機でも胴体とスピンナーはやや不連続なのだが、いくらなんでも不連続すぎるので後端を少々削ってみた。プロペラは裏面にヒケがあるので、パテでそれなりに埋めた。
 そんなこんなで、組み上げた。



 塗装は、エアフィックスの72キットで使った既製色で塗った。上側面は茶色を全体に塗り、緑を重ねている。下面は黒と白。どの色も、もう1回塗ろうかなと思う段階で止めている。そうすると部分的に地色が透けて、イイカンジに鳴る。スミ入れやモールドの強調には、薄めた青色を使って濃すぎないようにした。
使えそうに思えたデカールは茹でても剥がれず、ダメだった。手描きを基本に、赤と白の丸は日の丸デカールを貼り、小さな機番号は他キットで余ったウソ番号で済ませた。故に、超テキトウなのだが、誰もそんなことは気にしないし、私も3日で忘れるから、これで大丈夫。最後に光沢の缶スプレーをプ~~~~~として出来上がり。完成することこそ最も重要、最高のプラモ技術なのだ。



 眺める。凄い、ゴツい。猛烈だ。
よく出来ているとか、精巧だとか、プラモデルにはいろいろな見方があるが、このハリケーンには立体物としての存在感がある。本Web誌Vol.167 2022年7月に掲載していただいたレベル1/32のFw190Dと並んだらイイ感じだろうなと思い、行きつけのワールドホビーショップはせがわさんに置いてもらった。 


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