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特集 日本

川崎 五式戦闘機 1型甲 (ハセガワ 1/48)

  by 老人とプラモ

 三式戦「飛燕1型」のエンジン「ハ40」の性能向上を目指した「ハ140」は量産が難航し、エンジンの無い「飛燕2型」の機体に空冷の「ハ112-II」を搭載したのが五式戦というのは有名な話。元々スマートな三式戦の胴体幅840mmに直径1218mmの「ハ112-II」を載せた場合の段差の処理が技術屋の腕の見せ所。胴体側面にできる段差により生じる気流渦は開口部を直線状・後ろ向きに並べた排気管のロケット効果で吹き飛ばし、かつ主翼のフィレットを大きくすることで 空冷エンジンへの換装設計が短期間でおこなわれました。その結果、総重量の軽量化によって上昇力や運動性は大きく向上、最大速度は「飛燕2型」には及ばないものの「飛燕1型」を凌駕する580kmとなり、旧軍戦闘機の棹尾を飾ることになりました。

 大直径のエンジンに換装したとは思えない整った外形です。


側面はエンジン換装による外形の破綻はほぼ見えません。胴体下にあったラジエータ部分もきれいに整形されています。 


真正面(と鏡面の画像)から見るとエンジン直径と胴体幅の寸法差を認識できます。寸法差は胴体全長にわたって漸次解消されるのではなく、エンジンの後部でほぼ胴体幅に近づいているのが判ります。 


 斜め後ろからは再設計のフィレットの大きさが良くわかります。このフィレットは気流の整流化と同時に高温排気ガスに曝される機体の強度保持の意味があると思われます。


 五式戦の一列に並んだ排気管。エンジンと胴体の段差に生じる乱流渦を排気ガスによって吹き飛ばすという意図が読み取れます。


 ハセガワの五式戦は 三式戦のエンジン換装という機体の成り立ちをちゃんと表現されている好キットと思います。 



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