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フォッケ・ウルフ Fw189偵察機(エアフィックス 1/72)

by 小山新一



(実機について)
 佐貫亦男 著「ヒコーキの心」(正、続、続々の全3巻)は、ヒコーキ・ファンが愛読する名エッセイである。この中で、佐貫氏は、本機をわが陸軍のキ36(九八直協)との比較で述べておられる。なるほどこの着眼で、本機の用途や設計上のアレンジ、工夫が読者にわかり易く伝わってくる。
 本機は双胴、双発で、キ36は単発だから機体の形式は似ていない。だが、視界を確保するためコクピットを主翼の前方に配置、加えて主翼前縁に後退角をつけてある点、発想が同じである。このあたりの指摘は鋭いと言わざるを得ぬ。両機は使われ方も似ていて、地上軍と協同して作戦を遂行するたよりになる雑用機であった。さらに面白いことにキ36とFw189 は生産機数でも800機程度とほぼ同数であった。こんな細かい事実も調べあげながら、それをさらりと佐貫氏は書いておられる。

右側面


(模型について)
 「20世紀飛行機プラモデル大全」によれば、本キットの初販は1969年だそうな。半世紀以上も前になるが、新生エアフィックスでまだ販売しているのであろうか。その当時のキット評では、「デッサン良好で、実機の軽快なイメージをよく出している」といった好意的なものであったと記憶する。私も二十代のころに作り、他のヒコーキと並べておくと、そのユニークな形が好ましかったものだ。

左側面(後方から)


  今回これを作ろうと思ったのは、ハセガワの1/32 Ju87-Gを作ったのち、残ったドイツ大戦機の塗料で気軽に塗れるものはないかしらんと、探した結果であった。双胴双発の機体外形まで組んであったため、箱に入らず、ほこりをかぶっていたのを、押入れから引っ張り出し、まず水洗いすることからスタートした。

右側面(後方から)


 今の眼でみれば、透明パーツの透明度は悪いし、翼後端は厚いし、リベットもうるさい。そうした欠点も年代ものの味わいと割り切り、修正は殆どせずに組み、塗って仕上げた。デカールはスライドはしたが、はってみれば摺りガラス状で、国籍マークは手描きにしたが、コードレターは木工ボンドを塗ったりして何とか貼った(完成後にはがれたものあり!)。
 完成してみれば、なるほどデッサンは悪くないが、今どきの技術で新キットを出して欲しいものだと思う。

左側面(横から)


 今回おまけとして、ハセガワ1/32 Ju87のキットにファースト・ロット限定でついていた、ホワイト・メタル製のフィギュアを塗ったのでご披露します。人間の方は撃墜王ルーデル中佐をイメージしてあるようだが、こだわらずに塗った。犬はジャーマン・シェパードというので、グーグル検索で写真をみながら塗る。金属製なのでどっしりと重い。

パイロットと愛犬(ジャーマン・シェパード)



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