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P-35A (アカデミー 1/48)

  by 加藤 寛之



 P-47サンダーボルトのご先祖様というのかお兄さんというのか、そういう戦闘機。エンジンは1050馬力というから、ゼロ戦と同クラスになる。
アカデミー製品なので部品構成は簡単明快、実に好ましい。組図に載っている完成写真も、とても感じがいい…のだが、作ってみて分かったことは、この完成品は他社製品ではないのかな(?)ということ。形が違うのだ。掲載写真のほうが、カッコいい&似ている。う~~ン…。しばらく前に同社72のF-16を作ったときも、写真はハセガワのYF-16じゃないのかな(?)と思ったことを思い出した。でもP-35に見えるし、まあいいか。

 そんなことは全く気付かずに、組み始める。コックピットの構造は床板、背板、椅子、計器版と少々の部品で完了。主な色はインテリアグリーンまたは銀とあるので、銀を選択。といっても、全体を黒で塗り、銀をドライブラシ的に擦り付ける。影の暗さを色にしているということ。右側面に大きな窓があるので、機内を広く塗っておくことが肝心。エンジンも5パーツという簡単さ。嬉しいことは、コックピットとエンジンの組みあがり図があること。安心であるとともに、それだけ精度がユルいともいえる。もちろん、前向きに評価する。



 ここで胴体の太さを固定する工作をする。コックピット床板と胴体内部の間にランナー片を数箇所接着して、胴体の太さがヘナヘナしないようにしておく。これをしないと、主翼の上反角が決まらず、角度不足にもなる。
 エンジンカウリングは筋彫りが薄くて、胴体に比べてメリハリ不足。ちょっと線を明確にし、あとは塗装で改善することにする。エンジンカウリング周りには機銃や吸気口を接着するのだが、どれもいま二つの造形で出来が良くない。無理しない範囲で削ったり曲げたりして改善する。
 主翼は、実機の脚が後付けみたいな構造なので、単純な3パーツ。それは良いのだが、上面後縁がポテッと厚い。エルロンの羽布表現は実機構造をわかっておらず、筋を引いてあるだけで実感なし。…ということで、すっきりと削って改善する。
 風防は前・中・後の3分割。でも開状態にはできず、閉状態のみ。まあ、それは良いとして、実機の後風防は胴体が盛り上がった構造なので(P-47の背部構造を思い出して!)、塗装前に接着してそれなりに繋がっているっぽくしておかないとマズい。優良キットならば組むだけでそう見えるだろうが、このキットは自分で工夫することが求められる。それでも「まあ、いいか」くらいで済ませるのが懸命。
主脚の前に付くカバーは調整が必須。作る人は、がんばってね。
…ということで、形になる。



 塗装は、ほぼ銀色のみ。でも単調になるとつまらないので、ペタットならないように塗ったり、パネルに輝く銀を重ねたりパネルラインに黒を入れたりする。これの結果をムラだらけとみるか、表現の面白さと見るかは、その人の考え方による。私は「ムラだし、表現だし、どっちでもいいや」という曖昧なところ。
 デカールは全体としてはイイカンジだけれども、胴体の国籍マークが胴体の丸みに馴染まなかった。ところどころに切り込みをいれて、ゆがみを重ねることで逃がした。

 完成である。
組んでいる途中で冒頭のことに気付いたのだが、それでヤメることはない。「ちょっと感じが違うナ」と思うが、実機を見たことはないので、まあOKだ。
難はあっても受け入れ、キットの個性と理解して作ればよいと思う。モンクを言うのでなく、「ほ~~ら、出来たよ」と言う気持ちの方が、心が健全だと思うのですね。


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