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特集 アルファロメオ

アルファロメオクーペT33 (オオタキ 1/16)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 オオタキの1/16 アルファロメオクーペT33ストラダーレです。モデル化されているのはリアミッドシップのプロトタイプレーシングカーであるティーボ33(1965)の市販化モデルです。このT33は今にいたっても世界一美しい車と言われており、1967年トリノショーでお披露目。市販価格が975万リラ(時価3億円)のハイパーカーでしたが、何年待っても欲しいという客が後を絶たなかったそうです。現在 もしオークションに出ることがあればですが、軽く10億円は越すと言われております。
 
 プラモデルの方はオオタキが廃業後、フジミに金型が渡ったので、フジミ版を購入された方もいらっしゃることでしょう。
オオタキの箱絵はホワイトにブルーのツートーンとなっていましたが、アルファロメオといえばもちろんrossoとverde。
T33後期型のイメージで深い赤と緑の塗分けとしてみました。



実車 T33後期型 (  https://motorz.jp/race/great-car/73808/ より引用)


箱絵


 上は箱絵、下はキット内容です。オリジナルのオオタキ版はモーターライズなので、ギアボックスも含まれています。エンジン内蔵で、前後ボンネットと左右ドアが開閉というオール可動モデルとなっています。

(製作)

 シャーシーから作ってゆきます。エンジンは配線まで再現されており、精密感が漂います。 

シャーシー


 ボディはMrカラーのイタリアンレッド(実はフェラーリの色ですね)で塗装、緑もMrカラーです。クロームモールはハセガワのメタルフィニッシュを丁寧に張り込み、カッターナイフでカットしました。
ゼッケンは ハセガワトライツールのホワイトフィニッシュを円に切り、34の数字は自作デカールです。これですっきりとした塗装になりました。



 オール可動なので、カウリングとドアの建付けに注意しながら組み立て完了です。

(完成)



 地を這うようなスタイリングです。レッドにグリーン、そこにキラキラのシルバーモールとイタリアの華やかさ爆発です。モデルも1/16の大きさですから存在感があります。実に美しい。できることならば、実車に乗ってみたい。



 さて、ここからは このモデルを作りながら頭に浮かんだ独り言。ここ10年くらいのプラモデル業界の現状です。

 1960年代から70年代にかけての大型カープラモデルは金型とか設計技術の制約がありながらも、クロムメッキパーツ、金属部品をふんだんに使い、ギミックてんこ盛りで精密感を演出しています。しかし、それは 少年時代には高価でとても買うことができないプラモデル店のはるか高い棚にある とても手の届かないお姫様でした。
 2020年代の現在はその気になればポチっとなんでも買える良い時代になったとはいえ、逆にこういうギミック一杯の大型カープラモデルは果たして作り人(購買者)がいるのか?から始まり 店頭に並べるのも難しく(そもそも大多数の人の近くに”店頭”が無い)、「商品性に乏しいよね」とされて、まず新規の商品化を望めないようです。 
 プラモデルの世界でも大型金型も可能になりCAD設計も進歩し、電飾部品も豊富にあり、資料も豊富にネットで検索でき、全てが進歩したはずですが、廃業が相次ぎ残ったメーカー数も少なくなり、新商品のリリースは逆に難しくなるどころか不可能に近い状況までなってしまっているように見えます。
 変なことを言うようですが、現在は新規キットのリリースはもう望めず、しかたなく古~いプラモデルを大切に作る時代に入ってしまっているのかもしれません。認めたくは無いですが。


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