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特集 日本海軍機

栄12型発動機 (エブロ 1/12  3D Print kit)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 2022年秋に エブロから 3D print kit の 1/12 栄12型エンジンが発売されました。東京ホビーショーで公開された試作品を拝見して、今流行りの3Dプリントはここまで一体で作れるのかと感動し、かなりの高額だったのですが、発売後すぐ、1年分のプラモデル小遣いをつぎ込んで 思い切って購入しました。

箱絵


 購入してからは レジン製なので歪取りエージングを兼ねて しばらく 放置していました。(実のところは 高額キットなので 作るのがもったいなくて 部品を眺めては、なるほどなるほどと感心しつつ、3Dプリントキットについてあれやこれやと将来を考察(妄想か)しておりました。
 思い切って、昨年春に製作にとりかかったのですが、部品点数が少なく、塗装だけすればよいという感じで、文字通り あっという間に ほぼ1日で完成してしまいました。
3Dプリントキット 恐るべし。



組み立て
 前列シリンダと後列シリンダが一体出力されています。3Dプリントならではでしょう。プッシュロッドも一体です。
 レジン材質なので 当初は、プライマリーサフェーサーを吹き付けると細かいディテールがつぶれてしまうので さてどうしようかと悩んでいたのです。
が、エブロさんから「IPAで洗浄されているので、プラモデル塗料をはじくことなく、そのまま塗装できます」との情報をいただき、試しに直接Mrカラーの黒で筆塗してみたところ、全く問題なく塗れることがわかりました。



 ということで、前後シリンダーとも Mrカラーの黒を面相筆で塗って本体塗装完了です。プッシュロッドも黒としておきました。


 配線類も一体です。色は ニップルとプラグを銀、コードシールドは銅網だろうと推測して塗っています。


 シリンダに配線を接着すれば精密感が一挙に高まり、気分が盛り上がります。接着には少量の瞬間接着剤を使いました。


 エンジン裏側の吸気マニホールドです。黒で塗装。


 後部機器です。キャブレータ、電動イナーシャスターター、スーパーチャージャー、機銃連動カム装置、等が一体部品になっています。現物をよく見たことがないので、とりあえず黒で塗装しました。


 集合排気管です。パイプの中は中空になっています。凄い。
実物は焼け鉄色なのでしょうが、エンジンの置物を目指しているので、映えるようにと 茶と銅色を混色しました。


 一体のエンジン架です。おそらく実物は単純に黒で塗装していると思われますが、パイプ感を出したいこともあり 黒、茶、銅を混色して塗装しました。


 シリンダ後面に吸気マニホールドを接着します。


 エンジン架と後部機器を接着します。これで、エンジン本体はほぼ完成。


 減速室カバーは丸メカの写真を見て、シルバーで塗装。
実物はグレー系か、黒塗装かもしれません。
プロペラシャフトはシルバーとしました。実物は鉄鋼を磨いた色でしょう。
 これで、エンジンは完成。 ここまで ほぼ1日でした。



 初の3Dプリントキット 挑戦でしたが、あっけなく 完成。
組み立てやすさと 完成度の高さに驚きました。
注意点としては部品を折らないようにサポート除去をすることで、そこさえ丁寧に行えば、誰にでも完成可能でしょう。

 3Dプリントキットの利点はなんといっても少量生産が可能なことで、将来は3Dプリントキットが増加していくものと予想されます。
量産プラモデルでは事業的に不可能なレアモデルなどの模型化も増えれば、新たな楽しみのある時代に突入しそうで、わくわくしますね。




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