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特集 日本陸軍機、民間機

  川崎3式戦闘機”飛燕”I型改(グンゼレベル 1/32)

  by  Windy Wing 2013

今回はグンゼレベルの傑作<1/32 川崎3式戦闘機”飛燕”I型改>をご紹介いたします。



 時は1971年、レベル1/32シリーズの一環として国内初のグンゼ企画開発製品となった<三菱局地戦闘機 雷電二一型>はカウルフラップやら排気管やらをバラバラにしてしまったり、脚周りを伸縮自在にゴムタイヤを収納させてみたり、と、いささかメーカーが力みすぎた結果、なかなか形にするのが難しいキットとなっていました。
そこで続く第2弾となるこの<飛燕I型改>はその反省を踏まえてか、コックピットや足回りを含めて、まるで1/48のようなあっさりとしたパーツで構成する一方で、造型考証と表面モールドには圧倒的な情報量を与える、という、1/32スケール・キットのひとつの範を示した名品です。



  塗装はキットに付属するカラー図に倣って、数ある小林照彦少佐乗機の中でも最も派手な第244戦隊第一中隊所属機を選択しました。これは昭和20年5月に整備員とともに撮影された2枚の写真を元に設定されたものと思われますが、さすがにキット付属のデカールは経年劣化により使用不能となっていましたので、垂直尾翼のマーク類は<ハセガワ 1/32 川崎キ61三式戦闘機飛燕I型丙>のものに手を加えて使用し、その他は手書きもしくは自作デカールで対応いたしました。



 ご覧のとおり、誠に残念なことに、本キットを製作中途で長く放置している間に左水平尾翼をロストしてしまったのですが、ここは震天制空隊中野松美伍長よろしく、「翼被弾、なお我生還す」の心意気でなんとか半世紀の時を経て本機をよみがえらせました。ちなみに、「陸軍現用試作機称呼名称一覧表」の資料が明らかになって以降でしょうか、「飛燕I型」のサブタイプとして「改」や「改丙」などの呼称は見られなくなりましたが、本キットの場合、商品名の<”飛燕”I型改>は機首の長さや胴体・主翼機銃の選択から「飛燕I型丁」を表しているものと推定されます。



 今回は「橋本喜久男氏作画の初版キット付属カラー図を立体化する」という不遜な試みを企てた結果、「機首横のベンチュリー管は要りませんか?」「撃墜マークは全部B-29でよいのですか?」「機体内部は黄灰色でなくてよろしいか?」「プロペラ・チップは先端まで黄色くありませんか?」などなど、数々の疑問を無視して、ひたすら図面の再現に邁進することができました。まさに橋本喜久男氏の前に氏なく、氏の後に氏なし、スピナのハイライトに、リベットのシャドウに、画伯の筆致は今に歴史の息吹を伝えます。  



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