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特集 艦載機 

Reggiane Re.2000 Cat. (セマー(SMER) 1/48)

by  コルディッツ
博物館実機写真

 「艦載機」と聞いて積みプラの山から目に入ったのは、セマー(SMER)1/48のRe.2000です。元はアルティプラスト1/50の筈で、本誌2021年3月号掲載の「航空情報プラモガイド」では酷評されています。それを知りつつ購入したのは、付属デカールがイタリア海軍航空隊とスウェーデン空軍の2種類で、当時の私がスウェーデン空軍のフリークだったからです。
 購入後開封したら、やはりプラモガイドの評通りで、即座に積みプラにして、本号の「艦載機」で日の目を見た次第です。
※ 本稿はスウェーデン空軍博物館の標示、英文ガイドブック、「小雷電」(佐貫亦男著 「続・ヒコーキの心」収録 光人社NF文庫)、英文Wikipoedia を参照しました。



 Re.2000は地上基地をベースにする陸上戦闘機です。この機体が艦載機に変身したのには、一風変わった経緯があります。元々Re.2000はユニークな経歴で、設計者の一人ロベルト・ロンギがアメリカで設計をしていたためか、構造的・外見的にセバスキーP-35に似た機体に仕上がります。航続力1,000km超えが売りですが、主翼内の防弾をしていないインテグラルタンクによる成果なので、イタリア空軍は不採用。そこでレジアーナ社は輸出にに賭けます。ハンガリーは170機購入し、192機をライセンス生産し、スウェーデンはアメリカがEP-106(P-35の輸出名称)を禁輸したため、その代替にRe.2000を60機購入します。しかし1941年に英軍がイタリア植民地エチオピアに侵攻すると、イタリアはスウェーデン向けの28機のRe.2000を差し押さえ、エチオピアに派遣を目論見ます。けれど派遣前に現地イタリア軍が降伏し、宙に浮いたRe.2000を空軍と海軍で配分します。海軍は戦艦のカタパルトからRe.2000を射出し、作戦後は陸上基地に帰還する用途に当てました。カタパルト射出用器具を取付けた機数は10機とも8機とも言われますが、こうして艦載機版Re.2000が誕生し、Re.2000 Cat.と呼ばれました。Catは猫ではなくカタパルト(Gatapultabile)の頭文字を取ったようです。 



 アルティプラスト(セマー)もイタラエリ(スーパーモデル)も、スケールは違えどRe.2000 Cat.をヴァリエーションの一つにしていました。特にイタラエリのボックスアートは、如何にも戦艦から射出しました感が溢れているではないですか!



 航空情報プラモガイドに書かれていますが、アルティプラストのキットは、操縦席を乗せた主翼中央部と胴体のカーブが全く合わず、膨大なパテ作業となりました。直近はタミヤばかりで楽をしていたので、あまりの落差に目眩がしました。それでも完成してみると、Re.2000にしか見えないので、まぁ満足です。実機写真は2004年7月にスウェーデン空軍博物館で撮影しました。







 セマーの組立説明書にはカタパルト射出用器具の表示はありませんが、左右胴体中央部に各1個、主翼下面中央部に2個付けたパーツと思います。塗装指示がなく、調べ切れなかったので、胴体部品は黒、主翼下面部品は茶色に塗り、周囲から浮き上がらせることにしました。 



 Re.2000陸上機版には、そのような追加パーツはありません。
 なおRe.2000の主脚収容は、下面のボール状に凹んだ部分に、P-40式に主脚を回転させて入れます。しかしアルティプラストのキットは下面に穴を開けて上面内側まで見えるので、残念です。



 英文Wikipediaによると、1943年のイタリア降伏時にRe.2000Cat.は6機残存し、同年9月9日イタリア艦隊がマルタに投降する航海時には、戦艦ローマに1機、戦艦ヴィットリオ・ヴェネットに2機、戦艦イタリアに1機が搭載され、地上基地の2機は破壊されました。航海中ローマの1機は陸上基地に向けて射出されますが、着陸失敗します。そしてローマ自体もドイツ空軍のDo217によるフリッツXの攻撃で撃沈され、イタリアもフリッツXで損傷し、Re.2000 Cat.が投棄されます。ヴィットリオ・ヴェネットは1機を迎撃に射出しますが、接敵に失敗し、陸上基地着陸にも失敗して喪われ、残る1機が現存、現在はイタリア軍事航空史博物館に展示されていますが、私は未見です。ネットに掲載されている写真からは、損傷したような胴体前半部と主翼部分が展示中の様子です。
 商船にカタパルトを設置して、中古のハリケーンを使い捨てで射出し、Fw200の迎撃させていたイギリスが、イタリア参戦前の1940年1月にRe.2000をテストし、300機購入契約を締結しますが、 イタリア参戦で契約破棄になった逸話等、Re.2000は低性能で華麗な戦歴はないのに、衆目を集めたユニークな機体です。ある意味「名機」を、長年積みプラにしていたのは真に申し訳なく、今回 成仏を達成し、罪悪感が一つ、消えました。ガイドブックの酷評は正確でしたが、それでもセマー(アルティプラスト)のキットからは、プラモデルの楽しみには別の視点もあることを、改めて実感させて頂き、多謝多謝です。 




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