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二式水戦 (タミヤ 1/48)

  by 加藤 寛之



 発売は1973年の初夏だろうから、ほぼ半世紀前の開発品になる。単純な備品構成や、パネルラインの凹凸で使い分けや羽布張り表現、多彩な塗装バリエーションと抑制したデカール点数、当時ならば最高ランクのパーツ精度等々、その時代らしさとともにプラモデルとして充分な製品だと思う。
この製品をいつ購入したのか、記憶がない。でも、フロートと垂直尾翼に手を加えようと構想して購入したのだと思う。「そろそろ、作るか・・・」と開封したら、デカールのシートと組み図が貼り付いていた。

かねて構想していた通り、狭すぎるフロートの幅を広げ、垂直尾翼をよりマシな形にする改修を行った。主フロートは上側に2mm幅のプラ板を挟む。後端は閉じる必要があるので、挟むプラ板をクサビ状にした。この方法では主フロートの後半の幅不足を改善できないのだが、「まあ、イイや」でOKにする。断面形も気になるが、まあイイや。支柱は一旦切り離し、中央に置き直して周囲を整形。ホントは前の柱をずっと太くしたいのだが、これは大工事なので、キットのままとする。改善するならば、太さを2倍くらいにする必要があるかもしれない。翼端フロートは1mm幅で広げる。後端は削って整形した。支柱位置はキットのままだから偏るのだが、言わなければ気付かない。後半が狭いとか、断面系とか・・・まあ、イイや。
ナンだカンだと、偉そうなことを書いたが、フロートの形や支柱の太さは全~部、ワールドホビーショップはせがわの店主さんが指摘して教えてもらったこと。氏は木を削ってはるかに妥当な形状で作っていて、レジンで複製もしてもいた。「私はキットとプラ板でおテガルに改善してみよう」と思っただけのこと。私は、特別なパーツや工具を使わずに済む範囲のプラモデル作りが、とても重要だと思っている。製作記事は作るための記事であって、作らない理由を増やしてはいけないと思っているのだ。 え?フロートを太くするのは普通じゃない、って?それならば、キットのまま作ればイイんです。



垂直尾翼は、前縁を上方に向かって幅を広げることと、高さを増すこと。二式水戦の前縁のパネルラインをみると、零戦は並行だが二式水戦は上部へ行くほど幅が広い。そこで左右接着の祭にプラ板を挟んで土台を作りパテで厚みを作った。上方への延長は、垂直尾翼を切ってプラ板を挟んで伸ばし、整形した。見た目で改修したので、ごく僅かだが高すぎたかもしれないが、それでもずっと二式水戦らしくなった。
上述以外は、キットを組んだだけ。組み図にフロート前端に錘を入れるように、とあるのに幅を広げるのに夢中で忘れ、仕方がないのでエンジン後部に入れた・・・が、全く不足で、置いたときにアタマを上げてしまった。まあ、いいや、主フロートの後部に支えを置くことにした。これ、キットパーツにある。

塗装は、色を工夫してみた。明灰白色に緑を加えてみた。零戦の灰色は青畳のような色との情報もあり、そんな色の絵画もある。混色は期待よりも黄色が足りなかったが、まあ、いいや、だ。・・・なのだが、海水上で使う中島製造の二式水戦も同様なのだろうか、分からない。全体にも腐食止めを塗っていたのかなァ・・・それだと色はどうなのかなァ・・・。
もう一つ、胴体前後とか可動翼端とかの大きな既存構造はなるべく使うが、海水浸入を防ぐために「何か」のシーリングを行っているのではないか。それが写真で汚れに見えるんじゃないのかなァ・・・。さらには、水上機は右側からの搭乗なので左側の足掛けとか滑り止めはないんじゃないか、等々・・・ああ、分からないことばかりだ。じゃあ、どうするのか? どれもこれも気にしないで自分で、これでイイやを基準にする。…で、テキトウに塗った。
貼り付いていたデカールだが、驚いたことに貼付する本体に影響はなく、使えた。嬉しい!
無事に完成である。



う~~ん、フロートを太くして、垂直尾翼を大きくしたので、だいぶ二式水戦っぽくなったと思う。中途半端な改修だけれども、まあ、プラモデルだからね。

蛇足:1963年発売当時のLS二式水戦の箱絵は、水上滑走する姿を右前から画いたものだった。この絵のフロートは太くて丸く、主フロートの前方支柱も堂々とした太さに画いている。残念なことに、キットはそうでなかった。



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