Home  > <日本航空史> 3色迷彩>コラム>2024年7月号 

誌上個展

<日本航空史> 3色迷彩

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 プラモデルのWW2日本機というと、紀元2600年以降制式の機種が多いと思う。それは大雑把にいうと真珠湾攻撃以降の対米戦の機体となるのだが、日本はそれ以前から中国大陸で戦争をしていた。飛行機でいえば、「九●式」の時代から、ということになる。
 この時代の日本機には、上側面に3色迷彩を施したものが珍しくない。例えば、秋本実氏がまとめた 文林堂『日本陸海軍機カラー&マーキング』(航空ファン別冊・昭和63年)にはいろいろ紹介されている。

  以下の色付き絵葉書は、説明がない限りは当時の彩色絵葉書。カラー写真のようだが元は白黒で、絵葉書として印刷するときに色版を作って疑似カラー写真にしてある。「ここは何色」とメモして、それで再現するので、細かな色調はアテにならない。大雑把に「灰色」「緑」「茶」くらいに理解したい。
 よくある3色は、機体全体が灰色だったところに、上側面に緑と茶を塗り重ねたであろう塗り方。掲載のうち、①97式重爆撃機と②99式襲撃機がそれにあたる。

①97式重爆撃機


②99式襲撃機


白黒の③93式軽爆撃機は当時の写真ニュースからとったものだが、主翼前縁をみると明るい色の部分は下面色と同じで、機体全体が灰色だったところへ上側面に2色を塗り重ねたと推定できる。

③93式軽爆撃機


 ④98式軽爆撃機は下面色と上側面の色に境目がある。こちらの上側面は、明るい茶・茶・緑の3色でなる。手前にある主翼のピトー管からみて、この機体も98式軽爆撃機のようだ。『日本陸海軍機カラー&マーキング』p.51・p.82は、98式軽爆撃機の3色を濃緑色・緑色・土色で紹介しているので、ここにあげたものとは別の資料があるのかもしれない。

④98式軽爆撃機


  ⑤97式司令部偵察機の場合は、手前にある主翼がこの3色になっている。『日本陸海軍機カラー&マーキング』p.50に、これとほぼ同じショットの白黒写真があるので比較してもらいたい。

⑤97式司令部偵察機


  ⑥一式陸上攻撃機も同じように明るい茶・茶・緑の3色である。この彩色絵葉書は色再現が特に大雑把で、日の丸がないとか、操縦席前方の機首は黒だろうとか、言いたいことはいろいろある。だからといって、3色まで否定するのはいかがなものか。当時の人がこれで刷ったのに、実機を見たこともない80年後のモデラーが「これはヘンだ」などという根拠はないだろう。これも『日本陸海軍機カラー&マーキング』p.74によく似た写真がある。その写真のキャプションは2色迷彩になっているが、3色かと思えばそんな感じにも見える。

⑥一式陸上攻撃機


  ⑦96式陸上攻撃機は何かの印刷物の一部だけれども、銀地色を表現したのか灰色なのか、色も何色なのか判然としないが、これで当時は通用したのだから尊重したい。

⑦96式陸上攻撃機


  今回は掲載していないが、本Webモデラーズ誌2018年4月号の<日本航空史>「あいこく1号はどんな色?」では、4色迷彩の絵葉書を紹介してある。
 さて、グダグダと書いてきて何を言いたいのかというと、「諸説あります」ということだ。戦場に行けば命がけだから、規定云々では説明できないことが起こる。白黒写真を見て「これは濃緑色だろう」と思っても、茶色だったのかもしれない。1色塗りで部分的に褪色しているのかと判断したら、実は2色かもしれない。
プラモデルは、自分で考えていろいろ塗ってみればいいと思う。



  Home  ><日本航空史> 3色迷彩>コラム>2024年7月号

Vol.191 2024 July.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved / editor Hiromichi Taguchi
                  田口博通 / 無断転載を禁ず/  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作記事


TOTAL PAGE