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特集 日本の旧車

MAZDA K360 & R360 COUPE (MICROACE 1/32)

by 五六式(TYPE-56)



 日本の旧車特集に合わせてK360とR360クーペを作りました。

 実は。キャロルも用意していたのですが,作り始めると,この車,モールだらけでものすごく塗装に手間がかかるということに気付き,今回は,断念・・・涙・・・。

 だからと言って,K360やR360が楽勝だったかというと、そうでもないんだね。

<実車について>

  ・K360 (1959~1969)

 東洋工業(現マツダ)が製造販売していた同社初の軽三輪トラック。姉妹車のK600と共用した部品が多く,他社の競合車より乗り心地の面で優れていたという。


      ・R360 COUPE (1960~1969)

 東洋工業(現マツダ)が製造販売していた同社初の四輪乗用車。駆動方式は,フォルクスワーゲンやスバル360と同じリアエンジン・リアドライブ。アルミ合金やマグネシウム合金を多用したエンジンを搭載することによって軽量化を図ったり,軽自動車初のオートマチックミッションを設定したりと技術的に注目するべき点が多い。

<キットについて>
 初版の企画・製造は,LSの手になる日本の旧車シリーズのキットです。当時は,同一車種を成形色と箱絵を変えた2つの仕様で同時に発売するという非常に面白い販売方法(箱絵を見ると2つ欲しくなってしまう)を採用していました。

 キットには,ゼンマイ・ボックスが同包されており,走らせて遊ぶか,ゼンマイをオミットして後席の部品を組み込んでディスプレーモデルとするかを選択できるようになっていました。

 LSが廃業した後は,有井製作所に金型が渡って再販されることになり,いくつかの仕様変更を経てゼンマイ動力による走行機能は,廃止されました。現在でも,これらの旧LSのキットは,新たにアリイの手で追加されたキットとともに,マイクロエース名義で模型屋さんの棚に並んでいます。

 K360のキットの箱絵のタイトルは,"(昭和33年)’58 MAZDA K360 "となっていますが,マツダの社史やWikipediaによると,実車が発売されたのは1959年で,当時は,三角窓は装備されておらず,その三角窓が装備されたのは,1962年のマイナーチェンジ以降となっています。ということで,このキットは,1962年以降に生産されたK360のプラモデルです。以下、このキットに関しての略年表です。また,R360クーペのキットも,同様な経緯で発売され続けています。

1984年 LSより新発売。
1988年 OWNERS CLUBとしてシリーズを再編。
1994年 アリイより再販。この時から,箱絵に,"(昭和33年)’58 MAZDA K360 “と記載。これ以降、情景モデルセットや幌付きのキットがリリース。
2013年 マイクロエースより再販。現在まで何回か再生産されている。


<製作>
 どちらも,さすがのLS製品。部品精度が高く,組み立ての時に削り合わせなどの調整の必要はありませんでした。

 フェンダーミラーは,分厚くてごつい印象で手を加えたくなりますが,完成後の強度を考慮してキットのままにしています。


 今回作ったK360は,アリイ版です。比較的初期のロットのものらしく,成型状態は良好でした。

 透明部品は,フロントウインドウとリアウインドウのみで,そのまま作ると換気用の三角窓が筒抜けになってしまいます。そこで,ミカンのパックを現物合わせで切り抜いてサイドウインドウごと再現しました。


 R360クーペは,旧LS版で,ゼンマイボックスを固定する部分をシャシーの部品から切り取ってから工作を進めます。成型の都合でシャシーのゼンマイボックスの取り付けのための穴があいています。放置しても問題ないと思いますが,自分の意思とは関係なく,気が付いたらプラ板で塞いでしまいました。

 こちらも,換気用の三角窓が筒抜けになっているのでK360と同じようにして塞ぎました。    

<完成>
・K360


   製造は,比較的新しいのにデカールの劣化がLS版より進んでいて1時間水につけておいてもデカールが台紙から剥がれてくれませんでした。幸いなことにmazdaのエンブレムや車名は,本体に刻印されているのでこれらを銀色でドライブラシしてやれば問題ありません。

 ボディ側面のスリットは,サクラのピグマ(水性のイラスト用ロットリング。玉野市のような田舎では,入手困難。)でぐりぐりしただけ。


 ナンバープレートは,キットのデカールを台紙ごと切り抜いてて貼り付けただけです。薄く仕上がるし簡単♪

 100円ショップや雑貨屋で気に入ったものを買ってきて積載物にすると楽しいかも・・・。

 実車は,ツートーンカラーが標準だったようです。また,三角窓の枠は,ボディの色と同じ色で塗装されていたようです。  

・R360クーペ


このキットは,日本グランプリ仕様なので,オーバーフェンダーなどの部品が追加されていました。今回は,フェンダーミラーやホイール、ハンドルをこの追加部品から選んで組み込みました。

 K360より発売時期が古いのにデカールは,普通に使えました。

実車のルーフの赤は,もっと色鮮やかなものですが,オーナーのカスタムという設定で。


 流線形の外観は,後のコスモスポーツにも通じるものです。

 現代では,流線形の車,減りましたね。

<おまけ>
キャロルの実車写真です。

  地元の旧車愛好家の方のキャロル。登録はされていませんが,ちゃんと走るらしいです。


  愛媛県大洲市のポコペン横町で展示されている(た?)実車です。9年前のことなので,今は,いないかもしれません。   


2016年の時点で現役だった車です。 


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