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7./JG26のBf109E-1「白2」
(タミヤ 1/48 メッサーシュミットBf109E-4/7 TROP 改造)
by 平針みなみ HIRABARI Minami
通常、Bf109E-1への改造であれば、風防パーツの関係からBf109E-3のキットを使うと思いますが、今回作ったE-1は、キャノピーがE-4以降の角形断面のものを装備していたようなので、「メッサーシュミットBf109E-4/7 TROP」のキットを使いました。
この「白2」は、JG26第7シュタッフェル(以下7. /JG26)のカール・ハインツ・ボック伍長の乗機で、1940年9月17日の午後、ロンドン攻撃に向かう途中でエンジントラブルに見舞われ、英仏海峡を渡ってすぐのイースト・サセックス州ライ近郊のブルームヒル農場に不時着したものです。
(当時の7. /JG26の隊長はヨアヒム・ミュンヒェベルク中尉でした。)
そのときの胴体着陸した機体を左斜め前方から撮った写真が1枚あって、それを見ると第2風防、第3風防は脱落していますが、残っている第1風防の形状から、E-4以降の機体でおなじみの横断面が角形のものを装備していたことがわかります。E-3の後期生産型からこの角形風防を装備したようですが、E-1、E-3でレトロフィットした機体も見受けられます。
その写真によると、第1風防に防弾ガラスは取付けられていません。
翼上面は見えませんので、上面の迷彩パーターンは不明ですが、一般的なものにしています。
機首とラダーはRLM04。機首のイエローは通常のものより少し後まで塗られています。
JG26のシュラゲーターの「S」マークが付いています。ただし、胴体右側に付いていたかどうかは不明です。タミヤのキットの「白12」ヨアヒム・ミュンヒェベルク機のデカールは左側のみで、実機の写真も確認したところ右側には付いていませんでしたので、左側のみに貼っています。
機首の7. /JG26の赤いハートは付いていません。
胴体側面の機番、バルケンクロイツ等は通常のものよりサイズが小さくなっています。当時のⅢ./JG26ではそうなっていたようです。
製作
主翼の武装はMG17なので、下面のMGFFのフェアリングの内側にパテを詰めたうえで削りおとし表面を整えます。
その部分のパーティングライン等のスジ彫りをし直します。(資料の図面によって、パネルの有無などに違いがあって不明確です。)
リーディングエッジに開いているMGFFの銃身用の穴を埋める。
その内側、キットには円形のモールドがあるので、その中央にMG17の銃口の穴を開ける。
風防はE-4/7のものを使います。防弾板も取付けます。
風防前面の防弾ガラスは付けません。
塗装は、上側面RLM02グレー/RLM71ダークグリーン、下面RLM65ライトブルーとしています。クレオスのMr.カラーを使っていますが、少し他のカラーを混ぜてアレンジしています。
胴体側面にインクスポット迷彩が施されています。
機首・スピンナー(機首の塗り分けは通常よりも後まで)とラダーはRLM04イエロー。他の機では機首のイエローの塗り方が適当なのか、下地のグリーンが見えているものがありますが、この機はきちんと塗られているように見えます。
<参考> 風防フレームの塗装について (次のような趣旨の記事がありました。)
E-1とE-3に装備された初期の風防のフレームは、外側は上面迷彩色に合わせて塗られ、内側はRLM02あるいはRLM66ブラックグレーと思われる濃いグレーで仕上げられていたが、オランダとドイツの研究者による最近の調査によると、E-4以降の角形フレームの場合は、製造時に内外ともRLM66で塗装され、外側の迷彩色については、後日または部隊レベルで塗られることが多いことが判明した。また、当時の写真に写っている、単一の非常に暗い色に見えるものは、何らかの理由で適切な迷彩色が塗られず、RLM66のままであったと考えるのが妥当である。
おまけ
バトルオブブリテン当時のパイロットのいでたち(タミヤ 1/16 WWⅡドイツ空軍戦闘機エースパイロット)
このキットは、バトルオブブリテン当時のドイツ空軍エースパイロットをモデル化したものだということですので、一緒に作ってみました。
箱絵のパイロットとキットのそれとは、だいぶ印象が異なる顔立ちで、キットの方はアドルフ・ガーランドをイメージしたようなチョビ髭の人物です。制帽を被った状態と無帽の状態を作り分けられます。勲章のパーツも用意されていて、ボックスサイドに「宝剣付柏葉騎士十字章」の授与第一号はガーランド中佐と記されています。
今回は、もう少し若い世代のエースにしたかったので、顔を少し削ったりして整形し、勲章も鉄十字章のみとしました。
英仏海峡を渡るためライフジャケットは必需品で、1940年後半から炭酸ガス噴射式のものが登場し、炭酸ガスボンベが装着された状態のものがキット化されています。
「白2」のボック伍長は、かろうじて陸地までたどり着き、ライフジャケットのお世話にならずに済みましたが、そこで捕虜となってしまいました。
なお、ボック伍長はドイツ空軍パイロットの撃墜数のリストに名前が見えません。ここで捕虜になってしまったので第2次大戦中の撃墜記録がないのかもしれません。
そこでラダーに撃墜マークを記入してある機体をバックに置きましたが、その機体のパイロットとエースフィギュアとは関係がありません。
実は「白14」は、4. /JG2のハンス・「アッシ」・ハーン中尉(当時)のバトルオブブリテンのときの乗機で、ラダーには20機の撃墜マークがあります。ボック伍長が不時着した1週間後の9月24日に騎士鉄十字章を受賞しています。
なお、ハーンのこれ以前の乗機である「白13」は、角形風防のE-3だということです。
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