キットの部品内容 |
ボディ部品は ボデイ、ドア、ボンネットに分割されてホワイトでモールドされている。またリトラクティブライトは固定となっている。クーペのボディーカラーは、前期型では次の3色が設定されていた。 ペガサスホワイト、ソーラーレッド、サンダーシルバーメタリック。 ボンドカーオープン仕様は、ペガサスホワイト一択なので、MrカラーNo.69 グランプリホワイトをエアブラシで吹き、仕上げにクリアを吹いて塗装は完了とした。ドア内張は 艶消しブラックで、中央部をニュートラルグレーで塗っている。 |
ナガノのキットは1/20というスケールを生かして、エンジンが精密再現されている。実車のエンジン本体はクラウン用の直列6気筒7ベアリングSOHCエンジンである「M型」(1,988 cc・105 PS)のブロックを流用。ヘッド部がヤマハの開発したDOHCヘッドとなっている。 |
キャブレターはソレックス型3連キャブレター(三国工業がライセンス生産)、クラッチとトランスミッションはアイシン製(アイシン史上初の乗用車向けトランスミッション)となっている。 そんなことも 頭に思い浮かべながら 組み立てを進めると一層楽しくなる。 エンジンの塗装だが、シリンダーヘッドカバーに黒色艶消し縮み塗装を施したとのことなので、それを再現してみるのも面白いだろう。 |
実車のシャーシーはX型バックボーンフレームにコイル支持によるダブル・ウィッシュボーンとのことなのだが、キットでは下のように簡略化して雰囲気だけ再現した飾り部品がついているのみではある。また、ディスクブレーキ部品もないが、そこは1970年代リリースのキットであり、既にナガノも存続しておらず、ここはおおらかに許してあげて、完成を目指そう。 |
エンジン、シートと計器パネルを組み込み 塗装が完了した下部ボディ。 計器パネルとシフトノブは艶消し黒の上にサンド色をドライブラシし、透明オレンジを重ねて、木目感を出している。 |
下部シャーシーに上部ボディをかぶせて、透明フロントガラスを手工芸用水性ボンドで接着し、最終組み立てをする。フロントガラスのシルバーモールは、ハセガワトライツールのミラーフィニッシュを貼り付けた。ナガノのこの2000GT
は簡単なキットではあるが、製作中 ちょっとしたメカニック感を味わうことも出来、充実した製作時間を過ごすことができるだろう。 完成した2000GTの姿は 流麗なスタイルで実に魅力的だ。 |
トヨタ2000GTは1967年5月から1970年8月までの3年3か月で試作車を含め、337台が生産された。量産とはいえ、1台1台を手づくりで製作するという形であった。 本格的な市販スポーツカーとして設計された2000GTは 市販車ベースほぼそのままの仕様(ボディは軽量化のためオールアルミ板金叩き出しに改造)で、1966年5月開催の第3回日本グランプリ(360km)に2台が出場した。 結果は純レースカーとして設計されたプリンスR380の砂子が1位、同R380大石が2位に。続いて、2000GTの細谷が3位に入っている。 2か月後の1966年7月の鈴鹿1000kmレースでは1,2位を決め、初優勝を飾った。翌年1967年の鈴鹿500kmでも鮒子田寛が優勝している。 |
その後のヤマハは2000GTのレース仕様やトヨタ・7の開発や製作などに当たった。トヨタ7には 1968年型(3リットルNA)、1969年型(5リットルNA)、1970年型(5リットルターボと5リットルNA)の3世代があり、いずれもヤマハ発動機とトヨタグループ企業との共同開発である。 しかし、70年代初頭にトヨタ、ニッサンとも排ガス規制対応のために、技術資源を集中するとして、レース活動から撤退してしまう。 2000GTの生産が70年で終了したこともあり、同時に ヤマハの4輪分野での活動も終焉を迎え、以後は 2輪メーカーとしての道に戻るのである。 歴史にIFは無いが、もしヤマハがホンダを意識してのスポーツカー開発を選択せず、スズキを意識しての軽自動車開発を選択していたら、 もちろん 2000GTは生まれておらず、トヨタ・7 も無かったかもしれない。 しかし、現在のヤマハがスズキに匹敵する大軽自動車メーカーに成長していた可能性も大きい。技術資源の投入を何にするかという経営判断の歴史的結果の妙ではある。 |
本格的市販スポーツカーとして設計されたトヨタ2000GTは、337台生産されただけで、ヒストリックカーとしても現在でも非常に人気がある。当初の2000GTの販売価格は238万円だったが、最近のオークションでは1億2000万円を軽く超え、日本車としては過去最高値となっている。 さて、当初、ヤマハと日産で開発された試作車はもろもろの事情がありご破算となっているが、このデザインの流れがニッサン シルビア(1965)へと受け継がれ結実している。ヤマハのセンスは 2輪だけでなく、4輪にも脈々と生き続けたようである。 |
2nd シーズン |
2014年12月号 第12回 | オースチン ヒーレー 100-6 (レベル1/25) AUSTIN HEALEY 100-SIX (Revell 1/25) |
2014年11月号 第11回 | リンカーン・フューチュラ(レベル1/25) LINCOLN Futura (Revell 1/25) |
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2014年10月号 第10回 | メルセデス・ベンツ540K(モノグラム1/24) MERCEDES-BENZ540K (Monogram 1/24) |
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2014年9月号 第9回 | デユーセンバーグ・モデルSJ(モノグラム1/24) DUESENBERG SJ (Monogram 1/24) |
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2014年8月号 第8回 | ド・ディオン・ブートン (1904年型)(ユニオン 1/16) DE DION BOUTON 1904 (UNION 1/16 ) |
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2014年7月号 第7回 | アルファロメオ2300 トゥーリング(1932)(ブラーゴメタルキット 1/18) ALFA ROMEO 2300 TOURING(Burago Metal Kit 1/18) |
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1st シーズン |
2014年1月号 第6回 | ベンツ 300SLR (レベルモノグラム 1/24) |
2013年12月号 第5回 | BENTLEY 4.5L BLOWER (エレール 1/24) | |
2013年11月号 第4回 | ブガッティ 35B(モノグラム 1/24) | |
2013年10月号 第3回 | BRABHAM F-3 (エレール 1/24) | |
2013年9月号 第2回 | ROB WALKER Team Lotus 72C (エブロ 1/20) | |
2013年8月号 第1回 | ホンダF1 RA272(タミヤ 1/20) |
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プラモデル模型製作特集3
9月号 TOTAL PAGE view
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