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(Photo) Caudron G.3

by  コルディッツ
博物館実機写真

 コードロンG.3はフランスのルネとガストンのコードロン兄弟によって開発された複葉偵察機で、初飛行は1913年説と1914年説がありますが、本稿ではRAF博物館ヘンドンの表示に従い、1914年説を採用します。
 短いナセルと尾翼ブーム付きで、80馬力の Le Rhone 9C 9気筒空冷式エンジンを牽引式に配置した単座偵察機です。第一次世界大戦勃発により大量生産され、総計2,450機が生産されました。
このうち1,423機はフランス、223機がイギリス、166機がイタリアで生産され、その他の国々で少数生産されています。コードロン兄弟は愛国心のため、ライセンス料を取りませんでした。
 コードロンG.3は非武装ですが、イギリス航空隊では軽機関銃や小型爆弾を搭載して、地上攻撃に投入しました。また第一次世界大戦のフランスのトップエース、75機撃墜のルネ・フォンク はコードロンG3で従軍し、後に戦闘機パイロットになりました。
※ 本稿は博物館の標示、「軽戦の思想」佐貫亦男著、Wikipediaを参照しました。

Caudron G.3  3066
 王室空軍博物館ヘンドンにて        2019年9月撮影


コードロンG3偵察機はフランス軍、イギリス軍、イタリア軍、
ベルギー軍、オーストラリア軍等で運用されますが、軍用機の
発達により、1916年半ばから前線から引き揚げられ、練習機と
して運用され、戦後も中国や南米諸国で運用されています。


同時代のRAF F.E.2等は、短いナセルと尾翼ブーム付きと同じ
構造ながら、エンジンを推進式に配置している事から、佐貫亦男
教授は著作の中で「コードロンG型は、そのころのナセル(短胴)
と尾翼ブーム(梁)つき複葉機が全部推進式であったところを、
牽引式にしたところに特徴があった。単発の場合、この配置で
なにが得られるのか不明だが、後方座席からの下方視界は限られ
ない利点がある」と記述しています。(「軽戦の思想」 「ヒコー
キの心」収録 光人社NF文庫)




ヘンドンの展示機は、同博物館の標示によれば「たぶん1916年
に生産された機体で、ベルギー空軍で運用」とあります。その後
は民間機として使用され、1936年にイギリス人コレクターの所有
になりました。




Caudron G.3 SA33 F-AZMB  (Replica)
 Amicale Jean-Baptiste Salis にて   2016年8月撮影


1991年から1994年にかけて再製作して、飛行可能な状態です。
 オリジナルのル・ローン9Cエンジン80馬力は、Walterエンジン
120馬力(チェコ製)に換装しています。


最近日本でもよく見かける高齢者の歩行車のように、主脚は
ペアの車輪が2対なので、安定性は高いようで、確かに練習機
向きかと。

複雑な支柱と張り線の構成。WWⅠ機のプラモデル制作者の方々
には尊敬しかありません!


Caudron G.3 2531
 軍事博物館(ブリュセル) にて   2009年12月撮影
 この機体の由来は不明です。ラダーの三色旗は薄い青-白-赤
なので、元はフランスの機体のように思われますが…


Caudron G.3 BC-6(Replica)
 航空宇宙博物館(マドリッド)にて     2004年10月撮影
 スペインは1919年に18機購入して練習機として運用し、1924年
にアヴロ504Kと交代しました。



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