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(Photo) Fokker Dr.1

by  コルディッツ
博物館実機写真

 ACEと言えばマンフレート・アルブレヒト・フォン・リヒトホーフェン男爵(Manfred Albrecht Freiherr von Richthhofen)に触れずには済みません。第一次世界大戦で最高の撃墜数を有するエースパイロットで、愛機を赤で塗装した事からレッド・バロンの異名も、広く知られています。1918年4月21日に戦死するまでの撃墜数は公式には80機。これに未確認の3機、僚機のクレームで非公認になった1機を加えて、84機とされる事があります。
 最後の乗機はフォッカーDr.1三葉機ですが、残念ながら実機は残っていません。戦死時の機体は425/17号機ですが、彼の乗った152/17号機は大戦後まで生き延び、ベルリンの航空陳列館に展示されていました。しかし第二次世界大戦中に英国空軍の爆撃で喪われました。けれどヒコーキ愛好家のリヒトホーフェンへの関心は強く、多くの航空博物館でレプリカ機や模型を拝観できる機会が多くなっています。
※本稿は博物館の表示、佐貫亦男著の「赤い翼」「赤い被害」
(「ヒコーキの心」収録 光人社NF文庫)Wikipediaを参照しました。

 Fokker Dr.1 425/17号機(Replica)
 ドイツ博物館(ミュンヘン)にて       2011年5月撮影
 まずは本国のドイツから。


 Fokker Dr.1 G-FOKK 477/17号機  (Replica)
 戦争博物館ダックスフォードにて      2009年7月撮影


 本機は5年の歳月をかけて2008年にテスト飛行に成功した機体
です。エンジンはライカミングHIO-360-B1Bを搭載しています。
 リヒトホーフェンが操縦したフォッカーDr.1は、102/17号機、
107/17号機、114/17号機、127/17号機、152/17号機、425/17号機、
477/17号機とあります。
 素人写真で申し訳ございませんが、飛行シーンも撮影していた
ので、紹介させて頂きます。 






リヒトホーフェン機の残骸写真  2023年9月撮影
 オーストラリア国産機博物館(モーラビアン)にて


リヒトホーフェンの撃墜には二説ありました。一説はソッピス
キャメルを操縦するアーサー・ロイ・ブラウン大尉との空戦で
撃墜されたとするもの。いま一つは地上のオーストラリア陸軍
兵士の銃撃によるものです。私がレッドバロンを知ったのは50年
以上前ですが、その頃の日本の航空ファンは、ブラウン大尉説の
信奉者が多かったような気がします。(小学生時代の記憶です
ので、間違っていたらご免なさい)
 リヒトホーフェン機はオーストラリア地上部隊の支配領域に
不時着しました。すぐにオーストラリア軍兵士が駆けつけました
が、リヒトホーフェンは既に死亡していました。425/17号機は
比較的損傷なかったようですが、オーストラリア兵士の記念品
漁りの対象になったようです。こうしてリヒトホーフェン機の
燃料タンクがメルボルン近郊の博物館の展示品になりました。

 リヒトホーフェン機の燃料タンク


リヒトホーフェン機の撃墜
 TAVAS博物館(カブルチャー)にて     2019年2月撮影
 TAVASはThe Austrlian Vintage Aviation Society の略語です。
 レプリカではありますが、飛行可能なヴィンテージ機が集結
しています。ここにもリヒトホーフェンについての展示コーナー
がありました。


イギリス軍の検死では、リヒトホーフェンは右側胴体からの
.303インチ弾丸1発が、肺と心臓を貫通して死に至らしめた事が
判明しています。この時点でブラウン大尉説は否定されました。
 現在はオーストラリア陸軍第24機関銃中隊所属のセドリック・
ポプキン軍曹による、ヴィッカース重機関銃での銃撃が有力説
になっています。

Fokker Dr.1 VH-FXP 425/17号機  (Replica)
 そしてTAVAS博物館にはレプリカの飛行可能なフォッカーDr.1
425/17号機が展示されていました。



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