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妄想2:もう一つの航空自衛隊「Mitsubishi F-2E」(1/144)
by
望月 清光
「F-1改の部隊配備後、前回の演習から3年後の1986年、再度の日米合同演習において、『今度こそ!』と米空母艦隊を襲ったASM-1装備のF-1改部隊は、前回と同様F-14艦隊防空部隊のフェニックスとスパロー・ミサイルを、海面上同時多方向超低空侵攻で回避しつつ、向上した推力重量比と360°バブルキャノピー視界及び洋上迷彩の低視認性を生かして善戦、からくも数機がASM-1射点に到達、見事数発のASM-1が米空母及びタイコンデロガ級巡洋艦に命中との判定を得た。しかし、出撃数の5割のF-1改が被撃墜判定となった。
この演習結果に、米海軍は「同盟国日本航空自衛隊の実力向上」と素直に評価したが、米国議会は、烈火の如く怒り狂った。太平洋戦争で完膚なきまで叩きのめしたはずの日本が、戦後40数年を経て経済面で米国の優位を危うくし、対日貿易は赤字増大中、市中には日本製半導体と日本車が増え続けている。そんな背景の中、米国が誇る空母機動部隊が日本軍から傷をつけられた。更に、米海軍機動部隊指揮官の「航空自衛隊保有のF-1改全機の同時異方向攻撃を受けていたら、空母を喪失した可能性もある」とのコメントが米国議会の怒りに油を注いだ。「これ以上、日本の戦闘機開発能力を進展させてはいけない」、「米国は、同盟国であるイギリスのTSR-2開発も、カナダのCF105開発も阻止し、米国製戦闘機の売り込みに成功してきた」、「まして、米国の核の傘の下の日本が・・」等々米国議会に、ジャパンバッシングの声が渦巻いた。結果、米国議会は、F-1改の後継機である日本のFSX開発に際し、ASM-1クラスの対艦ミサイルを2発しか搭載できないジェネラルダイナミックF-16、しかも米空軍にお払い箱になったF-16XLを基にした日米共同開発を日本に強要した。米国の対日貿易赤字削減、半導体&自動車輸出規制を恐れる日本政府には、それを拒否する選択肢はなかった。
F-1改後継機開発に際し、米国議会からジェネラルダイナミックF-16XLを基にしたFSX日米共同開発を強要された日本であったが、一時、航空自衛隊は『クランクドアロー・ウィングを採用した低翼面荷重戦闘機では敵艦船レーダー覆域を搔い潜る超低空侵攻に不適』だと主張した。しかし、シビリアン・コントロールを楯に迫る日本政府に逆らえるはずもなく、1987年にはF-16XLベースのFSX開発が決定された。ベースとなるF-16XLからの改修が①国産アクティブフェーズドアレイ・レーダー搭載、②超低空侵攻時バードストライク対応キャノピー装備、③米国製AIM120と国産AAM-4ミサイルの共用装備、に絞られたため、FSX開発は周囲の予想に反して順調に進んでいた。ところが、日本の戦闘機開発能力進展を恐れた米国議会は、この段階において、突如F-16XLのフライト・ソースコード提供拒否を通告してきた。苦境に落ちた航空自衛隊であったが、防衛庁第3技術研究所及びFSX開発主契約者である三菱航空機から「T-2CCV開発経験を生かして、フライト・ソースコードは独自開発可能」との報告を受け、逆にフライト・ソースコード提供拒否提案受託の交換条件として、FSXの米国無制約開発と将来戦闘機用エンジンの無条件ライセンス契約締結を要求した。「西側世界のベストセラー戦闘機となったF-16ではなく、空軍がお払い箱にしたF-16XLならば、日本に無制約開発を許可しても支障ないだろう、日本に何ができる・・・。」と日本の技術力を侮った米国議会は、この要求を飲んだ。フライト・ソースコード国内開発により、開発は1年近く遅れたが、FSXは当初予定より早い1990年に初飛行し、1993年には部隊運用開始となった。このため、初期のFSX改めF-2E(単座型)の運用に際しては、開発が間に合わなかったAAM-4の代わりにAIM-120を装備しての運用開始となった。」
という設定で製作した1/144スケールの空自 F-2Eです。LS製F-16XLをコックピット後方で切断し、そこにカフェレオ製F-2Aの前部胴体を接続します。とは言っても、エアインテイクは、LS F-16XLを使用するので、F-16XLの胴体上半分はコックピット後方のフレームで切断しますが、胴体下半分は、レドーム後方のフレームでの切断となります。F-2Aを特徴づけるキャノピーとレドームはカフェレオ製を使用しました。パイロットは、F-1改と同じくFOXONE製ですが、1980年代後半のグレイグリーンのフライト・スーツとグレイのヘルメット塗装としました。
AIM120は、LS製F-16XLキットの附属品、ASM-2と翼端のサイドワインダーは、プラッツ製1/144 航空自衛隊ウェポンセットから、翼下の増槽タンクはカフェレオF-2Aからの転用です。デカールは、「アシタのデカール F-2A」から余剰品を転用し、細かい注意書きは面相筆で書き込んでいます。ハセガワの白色シートから白線を切り出して翼上面に貼り付けました。塗装は、Mr.Colorの航空自衛隊 洋上迷彩色セットをそのまま使用しています。
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