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ボーイングSST(ボーイング2707)
(レベル 構想機)

  by 加藤 寛之



 私が子供のころによく行っていた模型店で、お店に入って左側の天井近くにこのキットがあった。大きな箱で、主翼を展開した状態と後退させた状態の2機セットだった。値段は覚えていないが、とてもじゃないが普通に買える値段じゃなかった。それから半世紀ほど経過したと思う。そんな思い出のあるキットの、1機分を譲っていただける大チャンスがあって、さっそく組んでみた。飾るスタンドは店主の特別配慮品で、とても嬉しい。

 実機はボーイング社が開発を進めたもので、国家の威信をかけて政府資金を投入しての開発になった。先行するコンコルドを凌駕するために大型機とし、NASAお薦めの可変後退角翼で検討が進められたのだが、途中でコンコルド似のデルタ翼に変更、結局は開発中止になった。と、いうことでキットはその途中形態の想像機ということになる。可変後退角翼による重量問題で途中変更だとか、開発中止の原因は環境汚染問題だとか言われているが、スピードよりも低価格の大量輸送時代に合わなくなったという民間旅客機としての事情である・・・のだが、ここからは私の想像だが、高高度を高速で飛行する戦略爆撃機バリキリーが方針転換で中止となっているので、その技術を他社にも念のため並行して開発させる必要もなくなった政府側の事情と一致したってコトもあったんじゃないかなァ・・・と思うのだが、まあ、いいや。



   キットは、とても簡単なものだった。胴体と主翼・水平尾翼まで一体の上半分、その下半分、垂直尾翼と下面側のフィン、上下分割のエンジンパーツが4基分の8パーツ、これでオワリで、あとはパンナムのデカールで終了。客室窓はデカール処理、コックピット窓は胴体に凸モールドで囲んで済ませている。胴体は見事な曲面で作られているものの、主翼はモッサリしているし、垂直尾翼の前後縁はクタクタ、エンジン周りも実感が乏しい(実機がないから「感」に乏しいのも仕方ない)。もしも、子供のときに大金で購入していたら、泣いたと思う。

   主翼断面形や厚みの改修などはせずに、胴体主翼パーツの上下を接着する。前部と後部に現れる胴体は、特に前部を丁寧に整合させる。古いキットだから、合いはそこそこ。乾燥したら、前縁・後縁をそれなりに真っ直ぐ削る。翼面はフニャフニャしているので、それなり程度に表面を均す。翼端と後縁は下面からの削り上げで薄くみせ、多少の改善をする。
垂直尾翼は周囲を真っ直ぐに削る・・・のだが、どこかスッキリしない。それは厚みが整っていないからなのだが、厚みを整えるのは面倒なので許容範囲とする。垂直尾翼と下面のフィンは、それなりに丁寧に削り合わせて接着。キット指定では、上面の白色はキットの素材色をそのまま使うというプラモデルらしい考え方だ・・・といっても、各所をピタリとさせるのは難しい。それなり調整でも残った隙間は、ホワイトパテを擦り込んで埋めた。
エンジン周り。前面に穴はなく、中央からマッハコーンが出ている。もちろん、下面でほぼ見えないので、穴を塗装で済ませる。後部も簡素なモールドで穴が開いているだけ。軽く整形して、終了。
この程度で、形を終了



  塗装といっても、翼面と胴体下側の銀色でほぼ終了。銀塗装は、まあそれなりでOKとする。機首は遊びで銀色にした。どうせ架空機なのだから、違反でも誤りでもない。エンジン周りは、同じ銀色。ここだけ実機っぽくても不釣合いだと思ったから、意識して同じ銀色にした。排気口内部は赤にして、ブワ~~~と燃えているつもりにした。
塗装が終わったら、ここで光沢スプレーを全面に軽くかけて、表面を滑らかに。それからデカールを貼った。キット指定では左右主翼の上面に文字を貼るのだが、半分譲っていただいたキットゆえにそのデカールがなかった。じゃあ、どうするのか? ないことにすればいい、これで解決。
最後にもう一度、光沢スプレーを全面にかけて完成とした。
 出来てみれば、充分にイイ感じ。作れてよかった~~~。


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