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F4F-4 (レベル 1/32)

  by 加藤 寛之

 レベルの1/32は、名声を得た3種の後は徐々に品質が怪しくなり、このキットのころになると特別な評判はなかった。それでもそれなりの評価はされており、航空情報別冊『プラモガイド』1972年秋季号(Webモデラーズ2023年1月号参照)には、ドッシリとして量感がある、細部の考証もかなりゆきとどきと優れた部分を評価したうえで、主翼可動で生じる課題、プロペラの型式とプラモデルとしての問題点、機首上面と垂直尾翼形状に難点をあげて、「さしたる難点葉見当たらない」とまとめている。それはそうで、この時代のF4Fのキットといえば、48のモノグラム、72のレベル・エアフィックス・青島とハンパスケールのオーロラくらいだった。



 さて、私は今回はじめてこのキットを組む。例によっていただきモノで、ありがとうございます。感謝で作られていただきます。いつものように、キットの味を尊重して、なるべくそのまま組む。ようするに、なるべく手を加えない。
 ・・・が、事実は甘くない。折りたたみが可動の主翼は固定するが、これが内翼と外翼で厚さや平面形のつながり、分割部分の整合が甘いことに加え、翼断面形や翼端への薄くなり方などが酷くテキトウで、F4Fらしい感じが再現されていない。水平尾翼や垂直尾翼も、厚さ、断面形、全体の形状のどれをみてもテキトウ。各後縁もタップリと厚い。それなりに改善しようと翼類各所をそれっぽく削ってみたが、見る角度によっては難点バレバレ。まあ、いいや。
 キットの肉厚も問題になった。翼や胴体パーツが薄すぎて、接着して合わせた後でもペコペコしてしまうのだ。その結果、接着面が何度も剥がれて割れた。このキットをこれから作る方は、ぜひ強度を上げて工作を進めてください。
 私は主脚のハシゴみたいなものを組むのが大変だった。パーツ精度が低いので接着が難しい。しかも胴体接着後に落として壊してしまった。何とか修復したが左右で前後位置が1mmくらいずれてしまった。・・・で、対策はタイヤ取付けのピンを切除して作り直して位置修正をした。言わなければバレない。
 プロペラは型式に疑問はあるが、これでいいや。それよりもプラモデル的に形がマズい。ものすごく厚くて棒みたいで、しかも表面にヒケが発生している。それに加えカフス裏面にはヒケ避けの大穴があいている。この改善には、まず裏面の大穴に熱で伸ばしたランナー片を詰めてから、全体をガリガリゴリゴリと削っていった。表面のヒケはその過程で消えた。裏面の大穴も浅くなったので、それからパテで整えた。厚さを半分くらいにし、見えにくいところはテキトウでやめて、それでオシマイにした。
 そんなこんなで、なんとか形に組んだ。



 塗装指示は大雑把。私は「それならば大雑把に」でOKなので、細部はテキトウ。上面はニュートラルグレイっぽい灰色を選んだ。これを超ウス塗りにしてみた。32を作ってみると、塗装を模型的に面白くしないとボ~~と感が気になる。その対策の試み。側面と下面の白も、白っぽいテキトウな色で、これも超ウス塗りでオシマイにしてみた。キット指定では側面と下面でツヤが違うのだが、私はそんな面倒なことは無視である。
 デカールはキットのものを無理して使い、細かな注意書きは筆のチョボチョボ描きで代替した。最後に半光沢スプレーをぷ~~~~~として完成とした。



  さて、無事に完成したものの、翼類の断面形とかスッキリ感がない。当然、胴体側面の見え方だってイイカゲンだ。プロペラはまだまだ厚くてイメージが良くない。充分すぎる大人になって何でも許容してしまうようになってから作ったから良かったものの、若いときならばどう感じただろうか。
それで今はどうなの、とまとめると、組めてよかったなぁ、面白かったなぁ、である。充分に満足で、もちろん合格である。


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