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P-38 ライトニング (ハセガワ/フロッグ 1/72)
by
加藤 寛之
ハセガワとフロッグの提携は1967~1974年だそうだ。P-38ライトニングの本国での発売が1967年らしいから、最新キットだったことになる。ハセガワとフロッグは商品によって箱絵が2種類のモノがあって、今回作ったキットは後期タイプの箱絵だった。後期タイプとはいえ、製造から半世紀が経過している。
半世紀前のフロッグ製品だから、あまり期待しなかったのだが、作るために購入したのだろうから作ることにした。
その頃のフロッグ製品のコックピットは超簡易が普通で、実機が3車輪式の場合はコックピットと前脚庫は筒抜け。主脚庫も単なる穴。プロペラ周りの接着が曖昧…とかの、共通した特徴があった。このP-38はズバリその通りで、コックピット内は椅子だけで、それも主翼取付け部分と床板を共用する簡易な設計。脚庫は穴だけだが、可動の脚でないだけは助かる。当時のフロッグに共通した脚柱の単純さと強度に不安がある細さがあり、プロペラ周りもなんとなく不安がある。型式は顎の大きいJ型とL型のコンバーチブル。翼下用パーツにはロケット弾と弾架であるクリスマスツリーの武装パーツと、燃料タンクがある。デカールは4種選択で、米軍3つと中華人民国軍から塗装が選べる。面白いのは錘の記述で「粘土又は小石等」とある。ハセガワ・フロッグ提携品の組立説明書はハセガワ製なのだが、当時の日本が小石を簡単に手に入れられる社会だったことも分かる。
キットの味をそのままに組んだ。修正するくらいならば、後発のキットを購入して組めばよいのであって、フロッグ製品らしいことの方が今では意味がある。
中央胴体から双胴、外翼への構造には感心した。通常の左右や上下分割で理解しやすく、それらを中央胴体から張り出した板で突き刺して組む構造になっている。この時代だから多少のガタはあるが、歪みや主翼上反角をきめやすくなっている。さらに、主翼断面形に配慮があり主桁のところで内翼から外翼まで頂点が揃っている(この時代の精度なりに)。故に、組み上がった姿がカッコいい。
時代性とフロッグ的感性で「あれまぁ」のところもあって、脚類やそのカバー類の過度な省略とか、動翼まで含めた太い凸線表現と巨大なリベットとか、機首銃口の三角穴とか、既述のコックピットとか、言い出せばどんどん出てくる。
組み立てに難しいところはないから、隙間や段差を調整していけばOKだ。ただ、脚カバー類に接着ヒンジはあるもののむしろ邪魔で、切り取って胴体にイモ付けにした。
塗装はいつものようにテキトウで、上面はRLM61、下面はニュートラルグレー、白はアメリカ現代機用の何かを使った。まあ、これで大丈夫。白を機首などと合わせる都合で、垂直尾翼の四角を塗ったのだが、後で「あれ?長方形になっちゃった」と気付いた…が、長方形でいいことにした。完成すればイイのである。驚いたことに、デカールは半世紀を超えているのにちゃんと使えた。
完成して眺めると、だれが見てもP-38ライトニングだ。約半世紀前の製品だと思えば、充分な出来だと思う。当時、このキットが難アリに思えたのは、雑誌のプラモデル評価基準に惑わされた自分が原因だったようだ。
他のハセガワ/フロッグも作ってみたくなった。
数日後、ワールドホビーショップはせがわに持って行ったのだが、ふっと見ると右主脚が曲がっている。強度不足感はあったが、曲がるとはねぇ。まっ、イイか。完成したんだから。
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