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特集 もしも、架空

 KYUSHU J7W2 SHINDEN-KAI (HASEGAWA 1/72)

by 五六式(TYPE-56)



 第1特集”もしも、架空”に合わせて震電改を作りました。プロトタイプが初飛行に成功するも,ほどなく終戦となり,実用化に至らなかった震電を更にジェット化したら・・・という”もしも、架空”の中の”もしも、架空”の機体です。

<実機について>

 震電は,日本海軍が試作した局地戦闘機で,最大速度740km/h以上を実現するために採用した先尾翼形式の特異な形態が最大の特徴となっている。この震電を更に高速化するためにジェット化するという構想があったが,当時の日本の技術水準やエンジンの素材の確保の問題から,ジェット化は可能であるが量産化は不可能だったと言われている。

<キットについて>


 ハセガワの震電の初版は,1995年で,続く1996年,一部のパーツを入れ替えて震電改としたものです。今回,製作したのは,もし,震電改が実戦配備されていたらという設定で行ったマーキングのデザインコンテストで大賞を獲得したものを1997年にデカール替えのキットで再現できるようにしたものです。

<製作>

 キットでは,3種のマーキングが選択できますが,今回は,”お狐さま”で行くことにしました。発売後,30年近く経っていて,黄変はないもののデカールに若干の劣化(計器盤に貼ると3つに割れました)がありました。仕方が無いのでリキッドデカールフィルムを使ったのですが,今度は,曲面へのフィットに問題が・・・。

この時期のハセガワの飛行機キットは,基本的にパチピタです。簡易インジェクションのキットやコンピュータ上で設計してそのまま製品化したような新興メーカーのキットには,この精度は出せないでしょう。 


機体側面のインテークは,フィットに難がありましたが,指で少しずつ曲げて調整すると隙間無く接着できました。 


 機体後部のサブインテークは,筒抜けになっていて反対側の開口部が見えてしまうのでスポンジで塞ぎました。 


  組み立て説明書には,機首におもりを3gと書いてありました。仮組みの段階で調べてみると,おもりなしで釣り合っているようでした(プロペラが無いし)が,前脚が長く,後方にのけぞり気味になるので念のためにおもりを入れました。脚柱に負担がかかるのでなるべくおもりを入れたくないのですが。前翼の部品は,このような構成になっていてある程度組み立てが進んでからでも機首におもりを入れることができます。入れたおもりは,2g弱でしたが,それで十分でした。

<完成>

 デカールのシルバリングを防ぐために基本塗装はグロスブラックとしましたが,それでもシルバリングを封じることはできませんでした。デカールを貼った後,つや消しのトップコートをスプレーし,シルバリングがひどいところは,(自分の技量の範囲内で)水性のフラットブラックでタッチアップしました。


 主翼の識別帯は,デカールが主翼前縁に全く馴染まなかったので貼るのを諦め,マスキングした後,筆塗りで対応しました。


脚柱が長いのは,震電に装備されていたプロペラが長かったためでしょう。 


T-38のエンジンを積んだMe262のレプリカが今も空を飛んでいるそうです。震電改も・・・無いなぁ・・・。 


お狐さま,格好いいです。 


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