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T-2 (フジミ 1/48)

  by 加藤 寛之

 フジミ製品のキット評はどうだったのかと、完成後に調べてみたら『航空ファン』1979年8月号の新製品紹介に載っていた。おおよそ45年前になる。そのときはF-1とT-2は別キットだったはずだが、今回製作した製品はF-1とT-2を選んで作れる商品になっていた。今回はT-2を選んでみた。理由は簡単で、T-2は塗装が易しいからだ。



  いつものように、キットを組んで完成させればよい。細部工作に興味はないので、この時代の製品の細かさ(?)は私の好み。風防を閉じればコックピットはほぼ見えないし、見えても気にしない。それよりも、ジェット機らしさは盛り上げたい。それと、この時代のキットならば各パーツ面のつながりはおそらく要改修。つまり、細部はどうでもよいが、飛行機の形をスッキリさせたい。
もうひとつ、T-2の地上駐機状態では主翼の前縁フラップは下がっているのだが、キットは飛行状態というか通常のプラモデルの形で平ら。これを下げるとT-2らしさが引き立つだろうから、ここだけはヤッテおくかって感じ。パーツの該当部分を切り離して下面側を削り落とせばよく、その結果見えてしまう丸みの強い翼断面は少々尖らせておく。また、上面はキレイに整えたが、下面側は手を抜いて加工跡の整形はしなかった。手抜きといえば手抜きだが、置いたときに見えない場所だから、どうでもよい。この加工は組み始める前に行った。

 特に何の問題もなく組み進める。各パーツ間の面のつながりは予想どおりなので、ガリガリと削って出来る限り均し、それでも残った窪みはパテで整形する。想定内である。
 組んでいて、何となく主翼上面が寂しいのは境界層板が省略されているから。こんなに大きな部分を省略したのはオドロキだが、実機が試作機ころにキット設計を始めていたのかもしれないな。これはプラ板を細く切り、指で挟んでふわっと曲げ、接着して解消。思ったよりも簡単に設置できた。 



 主脚については、難ありだとのウワサを聞いていた。キットは屈曲した形を上下分割にしているが接着面はイモづけ。その面と面の角度も適切になっていないようで、固定位置を示す図のようにならない。私は適切な位置でむりやり固め、見えにくい場所で脚柱をプラ板片で補強した。大きな主脚扉は閉位置で接着した。前脚はちょっと長いと思ったが、加工が面倒なので、まあイイかでOKとした(でも、長いみたい)。

 風防パーツはこの時代らしい整合水準・・・現在のレベルでみればガタガタ。私は丈夫が好きなので閉状態にして、隙間は水性ボンドで埋めて塗った。私はこれで充分。開閉ヒンジ部分の凹凸部分に手を入れることはせず、塗装でごまかした。掲載写真をみれば、よく分かる。

 塗装は、キット指定からもっとも単純なものを選んだ。私は塗装が嫌いなのだ。全体の灰色は、ところどころで下地のプラ色が見える程度のウス塗りにした。これで塗装の面白みをだしている。さらにごく軽く、パネルラインやパネル面に希釈した黒をのせている。機首の黒は艶の違いらしいが、色を変えてみた。いつものように、エッジ部分は機体の灰色に白を加えた色をスット塗り、凹部分には希釈した黒をぬり、メリハリをつけた。細部塗装はテキトウにしてオワリ。デカールは日の丸が分解してしまい、手持ちのテキトウなデカールで代替した。それ以外は使えた。細かい注意書類は貼らないか、細筆のチョボチョボ描きにした。



 そんなこんなで、無事に完成。完成からまもなく、私の所属するSLB展示会があり、そこでハセガワ48のT-2ブルーインパルス機の隊列を見せていただいた。自分のT-2のテキトウさにちょっと気後れしたが、私のプラモデルはそんなモノだ。どう作るかは、自由だ…なんだけれどね、ちょっとね。
  追記1:『航空ファン』1980年4月号に、プラモデル製作に便利な資料が載っている。表紙もキャノピー開状態でコックピットを前から撮ったカラーで、資料性が高い。もちろん私は資料に使わなかったが。


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