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誌上個展

モラーヌソルニエ M.S.406 (ホビークラフト 1/48)

  by 老人とプラモ
 M.S.406は1935年8月に初飛行したM.S.405の改良型として機番を繰り上げて登場、1938年に大量生産が開始されました。当時の先端技術の趨勢としてMS社としても初の 低翼単葉、引き込み脚、密閉風防、可変ピッチプロペラ、着陸フラップなどを採用(胴体後部は鋼管溶接に羽布張り)。第二次大戦の開戦時には約600機がフランス軍に就役していたようです。ということは 開発時期から戦力化までドイツのMe109とほぼ同様の経緯をたどったと思われるのですが 1940年5月~6月のフランス戦役ではMe109にコテンパンにやられています(MS406の誇り高い敢闘の記録もありますが)。
 M.S.406は運動性や機体の頑丈さは概ね好評であったものの、機軸に装備された20㎜機関砲の高空での動作不良(潤滑油凍結、のちにヒーター装備)、頻繁なエンジン不調、加えて戦場では可動部分の腐食、ネジの劣化などの欠点が指摘されています。これらは航空産業特有の分野ではなく基礎的な工業技術に関する事柄なので 戦間期のフランス全体の工業技術レベルが腐っていたと言われても仕方がありません。(ここまで https://en.wikipedia.org/wiki/Morane-Saulnier_M.S.406 などを参照しています)

 ホビークラフト社はカナダ(ひょっとするとフランス語圏?)のプラモキットのメーカーです。実はM.S.406を作ろうと思ったときに、たまたま同社のM.S.410のキット(多分、箱とデカールと説明書以外は、MS406と共通ランナー?)しか入手できず、これをM.S.406に仕立てました。またこのキットは大変いい加減なもので、主翼平面形、キャノピー外形、などプラモとしての大きな欠点が多々ありました。考証に基づいて改造するなんて小生にとっては至難の業なので何とかM.S.406に見えるようにまとめる、というのが製作目標です。

 デカールもM.S.406の別売品が入手できずタミヤD.520のものを矛盾が無いと思える範囲で流用しています。この頃のフランス機には、方向舵下部に機名と機番が書かれているのですが省略です。





 完成させてみると、いかにも近代化途上の戦闘機の趣です。下部に「ハ」の字に開いた主脚はタイヤが曲がっていると言われそうです。照準器は眼鏡式、小口径機銃にしては主翼の大きな膨らみ、尾輪ではなく尾橇、などが目につきます。このキットとしてのもう一つの大きな欠点は プロペラが前から見て反時計周りになっていることです(実機は時計周り)。新たに対称形のブレードを3枚作って元のスピナーに正しく埋め込むという作業は小生にとって難しいのでそのままにしています。 



尾翼上端のアンテナ線の固定用ツノは適当に付けました。 



モーターを仕込んでプロペラを回します。こうなると回転方向は判りません。なお、パイロットはタミヤからの流用です(無人でプロペラを回すとおかしいので)。 



何とかM.S.406らしくできたでしょうか。やっぱり主翼の形が似ていない。



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