
リパブリックP-47D バブルトップ (ハセガワ 1/72 A8)
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by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ |

私にとって「ハセガワA帯」といえばこのキットが一番であります。P-47のイメージがレベル・ファイターシリーズのキットで擦り込まれていた頭でこのハセガワのキットを初めて見た時は衝撃であり「P-47とは、こんなにも力強く、美しいヒコーキだったのか!」ということを教えられたのであります。しかも1974年初出の開発キットにもかかわらずパネルラインは凹スジボリ、各パーツもシャープで合わせも良く作りやすいという点も感動ものでありました。このキットのおかげで私はP-47の大ファンになりました!
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21世紀に入ってT社から発売された同機のキットと比べるとさすがに細部表現では見劣りし、スジボリも段々ぼやけてきた箇所もあり、また実機図面と比較すると差異もあります。しかし細部表現は自分で手を加えてゆくのがまた楽しく、このキットは依然として私にとって「一番カッコいいP-47」のキットなのであります。これまでの制作回数が一番多い(2桁)キットであり、今でも家の押入にはこのキットを(レザーバックタイプも含めて)多数ストックしています。
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開発後50年以上経過したキットではありますが、エンジンや翼下武装等、他の機体でも使えるパーツをグレードアップパーツとして用意できれば(ウォーターラインの共通武装パーツのような感じで)、本キットはまだまだ大きな価値を保てます。
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以下、私が「一番カッコいいP-47」にするための主なポイントを写真キャプションでご紹介します。
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いつもの米軍仕様とはちょっと毛色が変わった作品にしたく、WWⅡ末期のフランス空軍GCⅡ/5のG.ノアロー(Gouachon-Noireault)大尉が搭乗したP-47D-28REとして仕上げました。塗装は米軍標準に準じた上側面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレー。部隊エンブレムの「三色旗を咥えた鶴」、機番、ミッションシンボル、フィンフラッシュは手描きです。シリアルナンバーは手持ち資料では判らなかったので推定。
ノアロー大尉は非公認を含め5機撃墜を記録。その戦歴はフランスの戦いに始まり、「撃墜され捕虜となるが脱走等で戦列復帰」を二度経験しており、なかなかの闘士だった様子が伺えます。
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正面から目に付くR2800エンジンに特徴的なディストリビュータを追加工作。
今回はP-47Dの後期型にするのでプロペラをT社キットの13ftカーチスブレードに交換しましたが、キットオリジナルの12ft2inのカーチスブレードもシャープで良い形をしています。
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半開きのカウルフラップが「動き」を感じさせるのでお気に入り。
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キットのままでは主脚カバーが主脚柱と離れすぎるので主脚柱のダボを削って主脚カバーを主脚柱に沿わせます。また主脚カバー上端と主翼下面の間隔を詰めるため、主脚柱の根元を2mm弱短縮。これで低めに構える姿勢になり、かつ太めの主輪と合わせてより重量感が出ます。
キットの脚カバーパーツの外側に0.2mm厚のプラバンを貼り付けてカバーの縁を表現。
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コクピット内部はほぼ全部作り直し。ここはT社キットなどを参考にしてご自由に。
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主翼後縁が主翼上面パーツに一体整形されているため、フラップのパネルライン付近にヒケがあります。このヒケを埋めてサンディングしておくと、このあたりの翼型イメージが実機に近くなります。
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主翼下面パーツは、キットの爆弾架部分が中空なのでここを中心に下にわん曲しますが、爆弾架の中に0.5mm厚のプラバンを挿入しておくとわん曲が押さえられます。
胴体下ラックは追加工作。主翼下の爆弾と胴体下の増槽はストックの別キットのパーツを流用。
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「出撃直前の最後の指示」というイメージでフィギュアを絡めてみました。
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