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(Photo) Sd.Kfz.234
by コルディッツ
博物館実機写真
Sd.Kfz.234は第二次世界大戦中にドイツ陸軍で運用された8輪
重装甲偵察車です。Sd.Kfz.231(8-rad)の後継の位置付けで、
8輪操向、8輪独立懸架、8輪駆動を引き継いでいます。
開発はフランス敗北直後の1940年8月にスタートしたせいか、
今後の戦場でドイツの植民地になると予想した、熱帯地方での
運用を想定していました。そのため水の補給を考慮し、ドイツ
軍車輌では珍しい空冷ディーゼルエンジン採用となり、チェコ
のタトラ社製V型12気筒空冷ディーゼル103型(210hp)が選ばれ
ます。当時のチェコはドイツの占領下でしたし。
Sd.Kfz.234には4種類の型式があります。生産された順番は、
234/2、234/1、234/3、234/4となります。/1は当初の計画通り
65口径2cm機関砲KwK38搭載型です。私はハセガワ1/72のキット
を入手済みですが、現在消息不明… /1の開発中に対ソ戦の
戦訓からSd.Kfz.234も対戦車戦闘能力が必要とされ、60口径
5cm戦車砲KwK39を密閉型砲塔に収納した/2が、先行して生産
され、順番が逆転したものです。私の記憶では50年前に1/32
(1/35?)でモノグラムのキットが有ったかと。長い砲身が魅力
でしたが、半世紀前は無限軌道でない車輌には手を出さない、
という、妙な拘りがあり、残念ながら逃したきりです…
/3はオープントップの車体に、24口径7.5cm砲K51搭載の火力
支援車です。50年前はエーダイの1/76があり、安価なスナップ
キットだったので、量産しました。/4は7.5cm PaK40対戦車砲を
載せた対戦車自走砲。50年前にエアフックスの1/76が出ていた
と思いますが、無限軌道車輌への拘りで、これも逃しました。
現存しているSd.Kfz.234は/3と/4が各1輌のようです。
※ 本稿は博物館の標示、「世界の戦車」(コスミック出版)、
Web「戦車研究室」、Wikipediaを参照しました。
Sd.Kfz.234/3 WH-1751008
戦車博物館(ボービントン)にて 1996年4月撮影
Sd.Kfz.234/3 は短砲身の7.5cm砲を装備し、
88輌生産で終了、以降/4の生産に移行します、
戦車博物館(ボービントン)にて 2020年8月撮影
前代のSd.Kfz.231(8-rad)はフレーム構造 でしたが、
本車はモノコック構造になり、生産性の向上が図られています。
オープントップの車体に装備の7.5cm砲。
視界は左右20度ずつ、俯仰角は-5~+16度で、砲弾50発を搭載していました。
前代のSd.Kfz.231と同様に、後ろ向きの操縦席も設置し、乗員は4名でした。
タイヤもバルーンタイヤとなり、最大速度は80km/hでした。
Sd.Kfz.234/4 WH-923350
ムンスター戦車博物館にて 2017年11月撮影
7.5cm PaK40の搭載は1944年10月の会議でのヒトラーの提案によるもので、Sd.Kfz.234にだけではなく、Sd.Kfz251等にも搭載されるようになりました。それだけソ連赤軍の戦車はドイツ軍にとって脅威だった訳ですね。
設置された7.5cm Pak40の射角は左右20度ずつ、俯仰角は-5~+12度。搭載する砲弾は36発です。生産数は89輌とされています。
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