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零戦21型 (タミヤ 1/48)

  by 加藤 寛之



 ファインモールドの零戦が話題になったときに「じゃあ、私はタミヤの21を作ってみますよ」で、今回の製作になった。ちょっと前にタミヤ1/48の32型を作っていて、Webモデラーズ誌2024年9月号に載せていただいている。キットの性格は同じだから、重複しないことを書いてみたい。
32型を作ったときには、キットの成形色を生かして緑色だけ塗る方法をとってみた。今回は機体全体の色をキットの成形色を使って作ることにした。塗装しないのは、私なりの遊びなのだが、近年の何でも灰色成形で済ませる風潮への反発でもある。その昔(だいぶ古い話だ)、タミヤの零観は灰色成形と緑色成形の2種を同時に供給していたほど、メーカーは成形色を考えていた。当時と売れる数が違うといえばそれまでだが、そのなかでタミヤの1/48零戦21型は、タミヤなりの機体色のプラで成形している。これを生かさないのはもったいない。
キットの成形色を生かす際、その透ける感じの処理が必要になる。たとえばコックピット部分の内壁に機内色を塗ると、その部分だけ外側からみて黒っぽくなる。そこで今回は、胴体内部は広く塗ってある。でも主翼内部は塗らなかった。出来たときに黒っぽくなりすぎるのを避けたかったから。機内を塗る際にもうひとつ大事なことは、外部に色が染みだしてくることがあるので、接着面附近に塗料をつけないこと。外面を塗る場合には気にしなくて良いのは当然だ。
この機内を暗色で広く塗る方法は、プラモデルの安っぽさを改善する方法として、数十年前には知られたやり方だった。おそらく、木を削ってつくるソリッドモデルとの比較があったからだろう。プラモデルの場合、機内を広く塗る方法はなかなかよいもので、通常に塗ってつくる場合でも、僅かではあるが重厚感に確かな差がある。私は、いつもは面倒だからしないけれども。興味ある方は、一度試みてほしい。




  組み立てでは、通常のプラモデル用接着剤をたっぷりと使い、流し込みタイプも併用して、接着面のプラを少し溶かすほどにしっかりと接着することが大切。もちろんパーツは丁寧に擦り合わせて隙間を極力なくすことは当然である。でも、主翼や水平尾翼と胴体の間の隙間をなくせないことだってある。丁寧に処理するならば、熱で糸状に伸ばしたランナーを半埋めにして上述の接着剤で溶かし気味に接着、硬化後に削るとよい。簡易な方法は瞬間接着剤で固めてしまう方法。明らかに色が違ってしまうのだが、そしらぬふりで墨入れしてしまうと目立たない。今回の21型の主翼上面と胴体フィレットの間は後者の方法。どちらにしても難があるから、最初から隙間をなくすことが重要。
全体色はプラの地色を使うとしても、ファインモールドの零戦とは違って透明な風防だから、枠は色を塗る必要がある。最初に機内色を塗り、次にキットの成形色に近い色を塗るのだが、元が透明なうえに透けるようなプラ色に塗るなんて、私のような素人には不可能である。では、どうするのか?「まあ、これでイイか・・・」で済ませることである。テキトウといえばそれまでだが、しばらく前にあった窓枠の塗装済みキットと同じようなモノだから、まあ、多少の色違いはOKにしましょう。
なお、機体全体はプラ色としても、細部の着色とか、いわゆる墨入れ、凸部分への明るい色追加といった、メリハリやプラモデル的な見栄えのための塗装は行っている。
キットのデカールは(もちろん塗装するならば)、灰色塗装機から3種、緑色塗装から2種の計5種から選べる。緑色塗装用の白ふち付胴体用日の丸もあるのだから、機番さえ用意できれば灰色の中島製21型にすることも可能である。しかもカラー側面図のオマケもあって、完成イメージをつくりやすい。今回は灰色機から選んで貼った。
最後に缶スプレーの光沢をかけて完成とした。



  完成である。プラの滑らかな表面が、沈頭鋲でツルツル&ピカピカを目指して製造された零戦らしいではないか。
キットの成形色を生かすといっても、風防枠は塗るようだし、細部塗装に違いはない。そのため、機体全体の色の量がすくないだけで、使う色の数は同じである。組み立ての手間はずっと多く要する。まあ、いいでしょう、プラモデルは遊びなんだから。


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