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創刊16周年記念アンケート 私の推しテク ベスト10

私の10の技

 by 加藤 寛之

 私は72クラス中心の飛行機モデラーで、以下のワザはそれ用のもの。ある意味、短時間で作るワザで、特別な材料を必要としないし、全国だれでもOKのワザです。本Web誌に投稿させていただいたプラモにも多用しているので、記事中でも紹介したものが大部分。まあ、かるい読み物くらいにみてください。

1.凸モールドのキットは塗装後に削って凸線をいかす
 凹モールドへの墨入れに似た効果を出す方法。ちょっと太目の凸線のときにつかえます。塗装後に2000番くらいのサンドペーパーで凸モールド部分を軽く削って、峰部分にプラの地色を露出させます。そうすると凸モールドがクッキリと見えるようになって、模型的に面白い効果がでます。削りを均一にしないことも大切で、ムラがますますイイ味をだします。

2.翼の後縁は削り上げて薄く見せる
 翼の後縁が厚いとカッコ悪いですね。主翼が上下分割の場合は接着面を削る方法が正統派ですが、切削面積が広くて大変だし、均一に削ることも難しい。削りすぎると胴体フィレットと段差が発生してしまうし、後縁のフチが丸く甘い成形の場合には採用できません。一枚モノの翼ならば、そもそも内側を削ることは出来ません。
私は後縁をナナメに削り上げてしまいます。下面のフチが僅かに荒れますが、プラモデルは上から観るので支障はありません。
この方法はついでに、後縁の微妙な厚みの揺らぎも解消できます。この効果は意外なほど大きいです。応用で、エルロンが布張り表現のWWⅡの機の場合は後縁の上面を僅かに削って曲面をなくしたり、前縁をナナメ上から見た位置で下面側を削って厚さの揺らぎをなくしたりすると、カッコいいです。

3.深いくぼみは穴を開けて伸ばしランナーを突っ込む
 例えばパーツ取付け用の窪みを埋めるのは、けっこう難しいです。埋めたいときは、窪みをドリルで穴にしてしまい、そこへ熱で伸ばしたランナーを突っ込んで瞬間接着剤で固めて削ると、一発できれいに整形できます。

4.風防と胴体との隙間は水溶性ボンドで埋める
 風防の透明パーツ同士や胴体との間に生じる隙間は、木工用の白い水溶性ボンドを流し込んで隙間に膜をつくり、それで塗ると目立たなくなります。水溶性なので塗装後でも塗装を傷めないし、余分についたら乾く前に拭き取れば大丈夫。模型店にいくともっと使いやすい製品もありますが、捜し求めるほどでもないでしょう。最近この方法は、かなり多くの人が使い始めたらしいです。古いキットのガタガタ可動は、軸部分に水溶性ボンドを流し込むとイイ感じの動きになります。塗装後にもできるので、おススメ。

5.角を明るく塗ってメリハリをつける
 例えばジェット機の尖った前縁とか吸気口、小さな突起の峰や頂点を、その周囲に塗った色に白を加えてスット軽く塗っておきます。普通に見たくらいでは違う色があるとは気付かないのに、メリハリがつきます。応用で、翼端灯が翼と一体モールドで透明でないときに着色した際、その角を銀色でスッと塗ってさらにクリアーを塗ると、ちょっと透明感がでます。実機の翼端灯が色ガラスの場合には特に効果的です。

6.主翼と胴体の接合は後ろから接着する
 上反角があるWWⅡ機の場合、主翼に上反角をつけると下面後方の胴体との接着面で段差が生じてしまうことがあります。これは、下面後方の接着を最初にするだけで、ほぼ解消できます。最初にそこの位置を固めてしまい、次に前方を固定。最後に上反角をつけて固定すれば、下面の飛び出しは生じません。もちろん、事前に上反角がちゃんとつくかどうかの確認は済ませておくことは必要だし、胴体の幅(太さ)をちゃんと固めておかないと上反角不足を生じやすのですが、それは上述の接着順とは別の事情です。

7.流し込み接着剤でカス取り
 プラ材を削ると、その縁にごくごく小さなカスが残っていて、これがなかなか取れなくて困るときがあります。これは流し込み接着剤で溶かしてしまうのが簡単。私の場合、プロペラを整形するときに、この方法をよく使います。ブレードの形にそってクルッと周囲を流し込み接着剤の筆を回せば完了。削った粗さも溶けてなだらかになります。

8.落下タンクや爆弾は見えないところに穴を開けて楊枝を挿して持つ
 飛行機の落下タンクや爆弾類は、塗装のときに持つところで困ることがあります。私は後方の目立たないところにドリルで穴を開けて楊枝を挿して、持つところを作ります。見えにくい所の穴は埋めなくても見えないので、私は埋めません。

9.一枚モノの水平尾翼の整形
 一枚モノの水平尾翼は、胴体に接着するあたりで広い面積の軽いヒケが発生していることが多いです。これを削って平らにしておくと、出来たときのシャープさが違います。このようなヒケは、パイロンにもしばしばみられます。ただし、あまりにもひどい凹みを削ると厚み不足で困ることになりますから、ほどほどに。

10.塗装でごまかす
 ちゃんと工作すると面倒でも、塗ってごまかせば楽。私がよくやるのは、主翼前縁の着陸灯。まず黒く塗り、次に周囲に黒を僅かに残して透けるほど希釈した銀を塗ります。最後にライトにみえるように銀を楕円形に塗ります。正面に塗るのではなく、上にひとつ・下にひとつ。これで、一瞬ですが透明ガラスの中に着陸灯があるように見えます(私には)。最後にクリアーを塗ると、ガラスがあるみたいになって、もっと透明感がでます(私には)。どんな感じになるかは、掲載のアリイ1/48疾風をみてください。「透明レジンで作った方がイイぞ!」とするのが正統派ですが、透明レジンで作ればそれでスッキリと見えるものでもなく、私は・・・塗装にしますね。他人の目をごまかすのが、面白いから。





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