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 (Photo) Morane-Saulnier M.S.412

by  コルディッツ
博物館実機写真

 モラン・ソルニエM.S.406系を知ったのは、本誌2021年4月号掲載の「1971年秋季号プラモガイドその13」に寄稿された、佐貫亦男教授のエッセイ「落剥のモラーヌ」でした。佐貫教授の名文に酔った私は、本文のエレール製M.S.406の解説に触発されて、新橋のステーション・ホビーに駆け込み、エレールの M.S.406をゲットして感激したのは中学1年生でした。
 その流れもあり、航空博物館巡礼を始めた当初、M.S.406の拝観は悲願で、スイス空軍博物館にて後継機のM.S.412を拝観した時は興奮しました。その後、M.S.406の残存機はなく、スイスで生産されたM.S.412(スイス呼称 D-3801)の3機のみ残存と知りました。1935年初飛行のM.S.405を起源のM.S.406系は、1944年にスイスで初飛行したD-3802で終了しましたが、残存機3機とは残念です。
※ 本稿は博物館の標示、Wikipediaを参照しました。

 D-3801 J-276  2003年6月撮影
 スイス空軍博物館(デューべンドルフ)にて



 1936年導入開始のM.S.406は、当時フランス空軍の最新鋭戦闘機でした。初飛行が1935年組にBf109とハリケーンがあるので、第二次世界大戦初期の役者が出揃いました。
 発動機出力はBf109Eが1,050hp、ハリケーンMk.Ⅰが1,030hp、がM.S.406は860hpと低く、その他にも実用戦闘機としては欠陥が多く、前述の佐貫教授のエッセイではかなり辛口の評価が下されています。
 M.S.406の性能向上を図った機体は多く、その中に発動機換装のM.S.412があります。実用化前にフランス降伏のため、スイスのドルニエ社(後にDoflug-ドフルク社に改名)が引き継ぎ、1941年から呼称D-3801で207機を生産し、スイス空軍に採用されました。

 D-3801 J-276  2007年10月撮影
 スイス空軍博物館(デューべンドルフ)にて



  M.S.406とM,S.412の外見上の違いは、排気管の形状と可動式冷却器の固定化、尾橇を尾輪に変更です。M.S.406の発動機はイスパノ・スイザ12Y-31(860hp)で、最大速度489km/h。
M.S.412はイスパノ・スイザ12Y-51(1,050hp)搭載、最大速度は534km/hになりました。
※ 馬力等の数値は諸説あります。

D-3801 J-143
 戦争博物館ダックフォードにて   2009年7月撮影  





 残存機3機のうち1機は飛行可能な状態でエアショーで華麗なフライトを見ることができます。


 D-3801 J-143
 戦争博物館ダックフォードにて   2013年7月撮影

 2013年には、スイス空軍機塗装に戻され?ていました。残る1機はル・ブルジェの航空宇宙博物館の保有、収蔵庫入りの様子です。

 M.S406 C MS-305 (模型)  2012年9月撮影
 フィンランド航空博物館(ヴァンター)にて
 ドイツ軍がフランスで接収したM.S.406は、フィンランド空軍に提供されて対ソ戦に投入されます。残存機はなく、写真の模型が展示されていました。トルコでもM.S.406が運用されていたので、フィンランドかトルコでM.S.406が発見される妄想をしています。




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