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 (Photo) Canadair CL-13

by  コルディッツ
博物館実機写真

 F-86セイバーは all-time Greats (いつの時代でも偉大であるもの)と評される、アメリカ最高傑作のジェット戦闘機機です。
朝鮮戦争で活躍、NATO加盟諸国やその他の多くの同盟諸国でも使用され、さらに日本やイタリア、オーストラリア、カナダでライセンス生産され、総生産機数は9,860機とされています。
 カナダではカナディア社が生産を行い、CL-13の呼称で6種類の型式で1,815機が作られました。Mk.1はF-86A型に相当の試作型で1機作られ、Mk.2はF-86E-1型に相当、350機の生産でカナダ空軍に287機、英国空軍に3機、アメリカ空軍に60機が渡ります。Mk.3はアヴロ・カナダ社が製造するオレンダ・ジェットエンジンのテストベッドとして1機作られます。そしてMk.4はF-86と同じジェネラル・エレクトリック J47を搭載し、438機が生産され、カナダ空軍に10機、英国空軍に428機が配備されます。英国空軍では、この機体をセイバー F4と呼びます。
 Mk.5はオレンダ・エンジン搭載で、F-86F型に相当し、370機が生産されて、全機カナダ空軍に配備され、後に75機が西ドイツ空軍に渡されました。Mk.6はオレンダ・エンジンの出力向上型を搭載し、655機生産され、390機がカナダ空軍、225機が西ドイツ空軍、6機がコロンビア空軍、34機が南アフリカ空軍に配備されました。
※ 本稿は博物館の標示、「大戦後戦闘機」(鶴書房)、Wiki- pediaを参照しました。

 Canadair CL-13 Saber Mk4 XB812
 王室空軍博物館(コスフォード)にて 2016年4月撮影

 見慣れないセイバーの塗装は新鮮でした。
 搭載エンジンはJ47-GE-13と思われ、その推力は23.4kN。

 Canadair CL-13 Saber Mk5 23363/363
 航空博物館(シアトル)にて 2009年10月撮影


 Mk.5搭載のオレンダ10の推力は28.91kN。
 6-3翼を導入しています。

 Canadair CL-13 Saber Mk6 23453
 カナダ航空宇宙博物館(オタワ)にて 2024年10月撮影


 Nk,6搭載のオレンダ14は推力32.35kNで、最大速度1,122km/hを記録。F-86F-40の最大速度度1,105km/h なので、カナダ製セイバーは優秀な機体でした。主翼に前縁スラットが再装備されています。




 カナダと英国のセイバーは、冷戦最前線の西ドイツ国内に配置されたので、迷彩塗装の必要がありました。 





Canadair CL-13 Saber Mk6 23042 Golden Hawks
技術博物館(シュパイアー)にて 2020年2月撮影


 カナダ空軍のアクロバットチーム「ゴールデン・ホークス」は、カナダ空軍創設35周年祝福のため1959年に組織され、解隊の1964年までCL-13セイバーを運用しました。 

 Canadair CL-13 Saber Mk6 23651 Golden Hawks
 カナダ軍用機遺産博物館(マウントホープ)にて
 2006年4月撮影 

 アクロバットチームの派手な塗装は当然とは言え、全身ゴールドの機体を目の当たりした時は、唖然としました。



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