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誌上個展

晴嵐 (タミヤ 1/48)

  by 老人とプラモ

 潜水艦(潜水空母 伊400型)のカタパルトから射出される攻撃機、ということは敵勢力への肉薄距離あるいはその圏内から発進して要所を急襲する。このコンセプトは まさにSLBMのハシリです。攻撃目標に対して深刻な打撃を与えるために兵装は単発機としての最大レベル(魚雷・爆弾(500~800kg程度))。敵中に進行して作戦を実行するには最高速度も機動力も敵と同等以上。しかも潜水艦で格納・射出するためには分解・組み立てが簡易で迅速ということも要件。よくぞ破綻なくまとめたものです。





 実戦での運用は、当初計画のパナマ運河攻撃は戦局悪化のためウルシ―奇襲に変更され、作戦中に伊400号と伊401号が邂逅に失敗などするうちに終戦となり。晴嵐は洋上投棄となった。

正面から見ると、爆弾の懸吊位置は機体中心線の右にずれています。


 モータを内蔵してプロペラを回します。


 渾身の降下爆撃! 爆装の重量が多い場合は最初からフロートを付けずに発進するそうです。


 旧海軍の機種分類では「特殊攻撃機」だそうですが、晴嵐の作戦は特殊過ぎて実行されても成功の可能性は低かったのではないでしょうか。爆弾一発で戦局転換を狙うのは虫が良すぎる、リスクはすべて実行担当が負うスタイルはシナリオの実現可能性が少ない時の常套手段。晴嵐は当時の実行担当の方々の無念のシンボルかも知れません。タミヤのキットは、晴嵐の高性能な故の虚しさまでも考えさせてくれます。 




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