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誌上個展

二式単座戦闘機 鍾馗
(マイクロエース(旧オオタキ) 1/48)

  by 老人とプラモ

 旋回性能第一の九七戦の発展型として一式戦 隼が開発された同時期に、こちらは速度と上昇力に主眼を置いた新戦法を意識して開発されたのが二式単戦「鍾馗」です。強力なエンジンでぐいぐい引っ張るという基本方針で頭でっかちのシルエット。太いエンジンの直後から機体は十分に絞り込まれています。開発チームはプロペラ後流が垂直尾翼を打つ影響を意識して垂直尾翼の高さを低くし、また水平尾翼との気流の干渉を避けるために垂直尾翼の取り付け位置を水平尾翼の後ろに設定するなどの工夫を凝らしています。この結果、直進飛行時の安定性が向上し射撃精度は高かったとの事。一方、単座機と大馬力エンジンの組み合わせは当時の日本では未知の領域で、運用ではエンジンの大トルクによる反力が大きく、地上滑走の方向転換や離陸加速時の突飛な挙動変化への対応は上級のワザが必要とされたそうです(wikipedia などを参照しています)。 

 小生の作例は 約20年前に入手・製作したもので細部はあまり行き届いていません。塗装は銀以外は筆塗りです。同梱デカールは「飛行第70戦隊 第2中隊 吉田好雄 大尉 乗機 昭和20年 6月 千葉県 柏飛行場」だそうです。


 6個の撃墜マークに目を惹かれます。黄色い羽根の真ん中に「B29」、その下に(撃墜の日付)と「吉田大尉」と書き込みがあるそうですがデカールではそこまでは読めません。


 このキットの胴体はエンジンの直後からの絞り込みの表現がたりないと評されていますが、そんなに気になるレベルではないと思います。エンジンの太さに比べると小さな主翼であることが判ります。主翼裏面の空戦フラップの見え具合も丁度いいんじゃないかと思います。


 この角度から見ると大迫力なんですが、実機は全幅9.45mなので実態は小さな重戦闘機。キットの左主翼の着陸灯は省略されていたので主翼上下を接着後に凹部を、作って透明プラのランナーを埋め込んで整形しました。


 鍾馗の尾翼はデザインとしても素晴らしいと思います。その配置は四式戦「疾風」にも引き継がれています。


 軽戦闘機に慣れた運用側に積極的に選ばれなかったのは 鍾馗にとって運が悪かったとしか言いようがありませんが、四式戦に知見の多くが引き継がれヨシとしましょう。



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