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フィアット 3000 (Tauro Model 1/35)

  by Takafumi

 Tauro Modelのフィアット 3000を製作しました。
 今回製作したフィアット 3000のキットは1921年型第1シリーズを再現しています。Tauro Modelは1921年型第2シリーズもキット化しています。



  まず、車体と砲塔を組み上げる作業から始めました。どちらも板状の部品を貼り合わせて組み上げます。
 車体に上から蓋をするように接着する部品と、砲塔上面板の部品が分厚く、両者の内側にモールドされている無数のリベットが本来の位置より少しずれています。ずれた位置にモールドされているリベットを削り落とした後、新たにリベットを自作(方法は後述します)して、接着しました。
 車体と砲塔を組み上げた際に生じた部品同士の合わせ目やすき間、段差を修正すると同時に、ずれた位置にあるリベットのモールドを削り落としました。必要なモールドまで削り取ってしまわないように、慎重に作業しました。ついでに、凸モールドで表現されている視察孔と乗員用ハッチをケガキ針やPカッターで彫って凹にしました。砲塔正面にモールドされている銘板も少し上方へずらすべきですが、本作はそのままです。



  リベットはインターネット上で紹介されている、ドリルの後端をプラ板に押し付けて打ち抜く方法で自作しました。プラ板の下にゴム板を敷き、ピンバイスにドリルを逆さまに装着したものをプラ板に対して垂直に押し付けて打ち抜きました。今回使用したドリルは0.5mm径(折れてしまったものを使いました)、リベットの材料にしたプラ板の厚さは 0.3mm 、プラ板の下に敷いたゴム板の厚さは5mmで、幅と奥行きはともに100mmです。ゴム板はホームセンターで購入したもので、ラベルのシールには弾力がある旨が表記されています。パンチ代わりにしたドリルの後端は、差し込み口から1.5mmから 3mm程の長さに装着して使用しました。ピンバイスを、ペンで字を書くときと同じように持ち、ゆっくりとプラ板に押し付け続けると、突然底が抜けるようにプラ板を打ち抜きました。打ち抜かれたプラ板は、ゴム板に接していた面が丸まって、丸リベットの頭のような形になってくれます。ドリルの本来の用途から外れた使い方ですので、作業する際は自己責任で、怪我などにご注意願います。



  リターンローラーの部品のいくつかに、車軸を通す穴の位置が中心から少しずれて開口しているものがあったため、穴の内側のローラー中心寄りの箇所を削って穴を拡げました。穴が大きくなった分、車軸の周囲に隙間が生じますが、ローラーを設置する桁に隙間を隠すようにリターンローラーを接着してしまいました。また、リターンローラーを設置する桁の表面にあるボルトのモールドを削り取り、代わりにウェーブから発売されている「R・リベット 角」を接着しました。

  砲塔に装備されている機関銃は、キット付属のものは太すぎるので、プラ丸棒材でそれらしく自作しました。
 装備されているのが機関銃なので「砲塔」ではなく「銃塔」と記すべきかもしれませんが、通常、戦車各部の名称を説明する時の慣習に倣い、本項では砲塔と記しました。

 他に手を加えた箇所は、排気管のノズルをプラ丸棒材で作り直したのと、車体と砲塔にある手すりを真鍮線で自作した程度です。



  キットに付属するベルト式の履帯は少し短かったため、CHINO MODELから発売されている連結可動履帯を履かせました。
 CHINO MODELの製品は3Dプリンターから出力されたレジン製ですが、「水洗いレジン」という素材でできています。水や溶剤を吸って柔らかくなるので、それらを多量に塗布しないように注意が必要とのことで、留意して組み立てや塗装を行いました。レジンをゴム型に流し込んで製造された製品の場合、表面に付着した離型剤を落とすべく、台所用洗剤などで洗浄する手順を踏むことがありますが、この製品は洗浄することなく作業を進められます。部品は、サポート材から容易に剥がすことができ、嵌め込んで連結する作業も短時間で済みました。連結後に外れやすく、車体に履かせようとしたらあちこちが外れたため、履板同士を接着しながら車体に履かせました。接着には耐衝撃性があるタイプの瞬間接着剤を使用しました。



  塗装は、WW2を題材にしたディオラマに登場させる予定なので、WW2開戦頃に稼動していた車輌を想定して、レッドブラウンとグレーグリーンの二色迷彩にしました。Mr.カラーとガイアカラーから色を作りました。今回製作したフィアット 3000 1921年型第1シリーズがWW2に参戦していたことを確認できる資料写真等は見つけられませんでした。後の生産型である1921年型第2シリーズは、WW2当時撮影されたと思しき写真が残っています。
  まずレッドブラウンを全体に吹き付け、よく乾燥させた後、グレーグリーンを筆塗りしました。グレーグリーンは薄めに溶き、筆に極少量含ませ、擦らないように手早く塗り、乾燥後塗り重ねる作業を繰り返しました。迷彩パターンは同じイタリア軍が装備していた車輌であるCV 33 軽戦車に、1937年頃から1940年頃の間に施されていたとされる斑点迷彩を参考にしました。
 履帯や車外装備品を塗装後、全体に水性ホビーカラーのつや消しクリアーを吹き付けました。
 つや消しクリアーが乾燥後、エナメル塗料と粉状にしたパステルでウェザリングを施しました。


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