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特集 変な形の

 九州飛行機 震電 (タミヤ 1/72)

  by Natsu


機体と機体名を一致して最初に覚えたのは・・やはり零戦からだろう
それはLSの零戦21型、52型の影響だと思う
その次に覚えたのが震電だった
こんな試作機だけでまともな試験飛行すらされてない機種を・・と思うが
始めてみる6枚プロペラ推進式前翼機の形態に衝撃をうけたのだ
それほど田宮1/72震電のインパクトは大きかった
いまでは震電を”変な形の”と言うと、とんでもないブーイングがおきそうだが・・
この試作機が他メーカーからも多くキット化されていることからも、その特異さがわかるというものだろう

初版1965年発売 田宮1/72 震電

私がこのキットに出会ったのは小学低学年の頃だった
夕暮れ?の赤い空へ飛び立ってゆく機体の箱絵
ベビーモーター内蔵でプロペラは回るが主脚は固定・・これはオール可動全盛の時代、すごく不満だった

現在手元にあるキットはその改訂版、青空に離陸する箱絵である
モーターギミックは外され前脚は固定、脚の収納部は完全に塞がれている
たしか初版では前脚は可動であり、主脚収納部は抜けていた・・
時代からして、もともとの設計は脚可動で進めていたと考えるのが自然
翼厚をみると主脚が収まりそう・・これは動かすしかないよね



震電の主翼は層流翼、主脚は彩雲と同じだ
主翼の桁の間に収納し、ぐっと前に傾斜して展開する主脚
実機では回転軸に斜めの角度がついている(タミヤ1/50彩雲ではちゃんと再現している)
確かに1/72の模型でこれを動かすのは大変だ・・どうしよう普通に動かせば前に傾斜しない・・
たぶんここが固定した理由だろうね、ちゃんとしたキットだ
ふとニチモ1/70スピットファイアの脚収納を思い出す
軸受けに遊びがあり角度をつけて収納していた
主脚の軸に傾斜をつけて軸受けは動くように遊びを持たす・・この方法だ



タミヤの震電が仕上がった
細部表現や表面仕上、プロポーションなど今と比ぶべくもない古典的キット
しかし、この上品なリベットやスジボリ表現は古さを感じさせない、単に表現方法の違いだ
今回は可動部以外は基本的に素組みとした
それがこのキットらしいと思う
仕上ると・・なるほどまさしく震電だ
少し主脚が長く思うかもしれないが
当時の可動キットはオレオが伸び切った状態で再現される・・これは味なのだ
これはやはり傑作キットだねぇ



こうしてみると、震電は常識的でない”変な形”だろうが、やはり斬新な機体だと思う
戦後のジェット機群と比べてもなんら遜色ないデザインだ
終戦により壊された機体さえ米国に持ち帰り、飛ばそうとしたのもわかる
もし終戦前に全速試験飛行が間に合って機体が壊されていなかったら
彩雲のように銀色に日の丸の震電が米国で飛んだのかなぁ
個人的にはそんなのも見てみたかった



記憶が定かでないが・・
数年前なにかのポスターでサントスデュモン14bis(欧州初の動力有人飛行機)が前後反対に描かれていたという記事があったと思う
飛行黎明期の機体にはライト兄弟のライトフライヤーをはじめ前翼機が多くある
今やこれら黎明期の機体は現在の常識の形態には当てはまらない、常識って相対的なものなんだろうね
最近話題のB2爆撃機も少し前なら・・こんなのまともに飛行できるわけない!と思っただろう
それまでの常識からはずれた斬新な機体程"変な形の"になるんだろうね・・
それが傑作機か駄作機は飛ばしてみなきゃわかんない
もっと常識はずれの”変な形の”が出てくるとさらに面白くなるだろうなぁ



今回は当時の田宮1/72震電をリスペクトして
マイクロモーターでプロペラ回転
脚及び扉は可動とした
しかし・・やはり当時の想いには到底かなわないなぁ・・

斬新だぜ震電、いつまでも楽しんでますタミヤ




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