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雷電(レベル　1/32)

　　by Ｅ．Ｈ．ＮＯＢＵ

皆様こんにちは。
E.H.NOBUです。
今回ご紹介させていただきますのは REVELL 1/32 雷電２１型です。
初版のグンゼレベル版は1971年リリースでゴム製のタイヤがついていましたね。
遡る事半世紀以上前のキットです。
今回作ったのはそのグンゼレベル版ではなくタカラレベル版になりますが
現在ではハセガワと造形村から出来の良いキットが販売中ですので
わざわざこのキットを組む人も居ないと思いますが今回も
いつものようにREVELLの風味は残しつつ現代風に調理したいと思います。
今回も皆様最後迄お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

今回製作いたしますのはフィリピンにて米軍に鹵獲された雷電 3008号機です。
製作するにあたり沢山の資料から本機について考察してみようと思います。

本機は皆様ご存知の通りフィリピンで米軍によって鹵獲されました。
詳しくは世界の傑作機Ｎｏ.６１に多数の写真と共に渡辺洋二氏が解説されております。

模型製作のポイントとして多数の鮮明な写真から
①キャノピー後部内の無線機は米軍のSCR-522VHFに換装されており
それに伴いアンテナ柱も米軍規格のものに換装されている。
垂直尾翼上端にアンテナ線の基部は残っているがアンテナ線は無い。

②プロペラブレードのプロペラボスは完全に見えないタイプで
　スピンナーのプロペラ付け根にはフランジがある。
　スピンナー先端中心に穴が開いているようにも見える。

③風防内の70ｍｍ防弾ガラスと射爆撃照準器は
鹵獲時の風防を開けた状態で斜め後方から撮られて写真によると
　この時点ですでに防弾ガラスと射爆撃照準器は取り外されているのが確認できる。

④胴体側の車輪覆いは無い。

⑤垂直尾翼左右全縁付近には破孔をパッチで修復した跡がある。

⑥胴体左側水平尾翼前にあるネームプレートには
　形式は試製雷電改　製造番号は三菱第3008号とある。

キットのコックピットは現在の豊富な資料と比べると
かなり違いますので資料とハセガワのキットを参考に
プラ板やプラ材、エデュアルドのエッチングパーツ等々で作り直しました。

世界の傑作機で操縦席付近の写真を見ると
風防左右にある取っ手がかなり明るい色に写っているように見えます。
機内色ではなく黄色なのでは？
そう思って取っ手の写った写真を
見れば見るほどもう黄色にしか見えなくなってきましたので
黄色にしました(笑)

このキットを永らく放置してた最大の理由に主翼下面の
主桁が脚収納庫の穴で途切れてしまっていることに
気付いたからでした。
モールドを修正するとなると全て掘り直しとなるし
主翼上面の主桁の位置とも合わなくなるし・・・・
てな具合で何十年も放置されておりました。

今回キットのパーツを眺めながらあれこれ考えて
プラ板で脚収納庫を作るついでに
脚収納庫の主桁側を狭める方法でなんとかなりそうとなり
1.2ｍｍプラ板で修正してみました⇩

このキットではキャノピーと風防の枠が実機とまるで違っていますので
中央可動部はプラ板で後部を延長し
磨いてモールドを消してからマスキング販売さんの
ハセガワ雷電用マスキングシートを貼って正しい面積とラインを確保しました⇩

半世紀前のキットなのでデカールが使えるかどうか不安でしたが
黄変もなく台紙から剝がれないとかデカールがバラバラになることもなく
マークセッターとマークソフターで
しっかりとモールドにも馴染んで貼り付け出来ました。
補修部分の再現にはアルミシートを貼ってあります⇩

主脚柱はキットでは引き込み式にするために
実機とはまるで違ってしまっているのでここはフルスクラッチしました。
主脚カバー内側もプラペーパーで同じくフルスクラッチとなりました⇩

それでは完成した雄姿をご笑覧ください。

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