Home  > NC900 フランス製のFw190A (エデュアルド 1/72 Fw190 A-5)>特集 世界の名機コレクションシリーズNo.21 Fw190A>2026年7月号

世界の名機コレクションシリーズ  No.21 Fw190A

NC900 フランス製のFw190A
(エデュアルド 1/72 Fw190 A-5)

by 平針みなみ HIRABARI Minami

エデュアルド1/72のFw190 A-5 heavy fighter(WEEKEND edition)を、フランスで組み立て、配備したFw190であるNC900として作りました。


NC900について
 フランス軍は大戦初頭の1940年、地下採石場の跡を航空機の修理工場とするべく工事を始めていましたが、ドイツ軍による占領で工事が打ち切られました。ドイツ軍は1943年後半、連合国による爆撃が激化する中で、フランス軍が始めていたその洞窟工場の工事を再開し、さらに各種の付帯設備も整えていきました。その結果、ドイツ機の修理に携わっていたドイツのAGO航空機会社は、1944年2月にこちらへとFw190の修理業務を移管しました。しかし、1944年6月のノルマンジー上陸後、連合軍によるフランスの解放が進み、ドイツ軍はこの修理工場を1944年8月に放棄することになりました。そこにはFw190A-4、A-5、A-8の胴体、翼、多くの部品が残されていたということです。この施設はフランスのSNCAC(中央航空機製造公社)が引き継ぎ、また、別の場所でBMW801エンジンも発見されことにより、ここでFw190を組み立て、フランスとしての型式番号NC900が割り振られることになりました。1号機から順に機体番号が付けられ、最初の機体は1945年3月16日に初飛行を行い、最終の64号機は1946年3月14日に初飛行を行いました。もと機体がFw190A-5でも、A-8であっても、すべて「NC900」で、NC900〇〇型というようにはしていません。ただ、ラダーには「Type A5」や「Type A8」というような表示がされています。
 組み立てられた機体は順次試験が行われ、1946年1月から実戦部隊の「ノルマンディ・ニーメン」に引き渡されましたが、この時、隊員たちとひと悶着がありました。というのも、ソ連上空でYak-3に乗ってFw190と戦っていたパイロットたちは、Yak-3に比べFw190は性能がかなり劣っていると評価していたということです。そこでソ連から贈られたYak-3とNC900とを使って模擬空中戦など徹底的な比較試験を行い、性能が拮抗する低高度を除き、あらゆる面でNC900の方が勝っていることを証明してパイロットたちを納得させたといいます。
 しかし、ドイツ占領下でのフランス人労働者のサボタージュなどで、BMWエンジンは不良品となっていたり、保守・整備の不慣れなどで事故が続いたりで、NC900は危険な飛行機だとの噂がたったりしました。また、ノルマンディ・ニーメンには英空軍からのモスキート双発戦闘機が配備されるなどして、NC900は短期間でフランス空軍からは姿を消すことになっていったということです。

このNC900は1機が現存しています。それは第62号機で、ル・ブルージェの航空宇宙博物館に保管・展示されています。ただ、現在見ることができるのはフランス機の塗装ではなく、ドイツのエース、ヨーゼフ・プリラーの乗機に塗り替えられたものです。(本誌2019年6月号Photo特集参照)


なお、エンジンの不良品ということに関連して、中山雅洋『北欧空戦史』に「砂噴射のエンジン」という節があったことを思い出しました。スウェーデンが開発中のJ21等に装備するため、ドイツからDB605Bエンジンのライセンスを得て、最初のエンジンがスウェーデンに着いたとき、サーブの技師たちが「エンジンを分解して点検したところ、シリンダーのなかに、誰かがひそかに砂を入れており、不用意に飛行機にとりつけて始動したら、すぐに駄目になってしまうところであった。」、また、この少し後のところに「フィンランドでは輸入したMe109が飛行中、エンジンが突然火焔に包まれ、パイロットが脱出したケースが少なくとも二件知られている。原因はDB605エンジンが戦時急造されたためとされているが、・・・案外少量の砂噴射したエンジンがあったのかもしれない。」とありました。

参考文献:
1.フラッペ, ジャン=ベルナール&ローラン, ジャン=イヴ著、小野義矩訳 フォッケウルフFw190 その開発と戦歴、大日本絵画、1999、p.518-524.
2.Smith, J. Richard & Creek, Eddie J.著 FOCKE-WULF Fw190 Volume Three 1944-1945, Classic Publications, 2013、p.948.
3.中山雅洋著、北欧空戦史、朝日ソノラマ、1982、p.323-325.

エデュアルドのFw190A-5について

 これまで作る機会がなかったエデュアルドのFw190シリーズですが、今回1/72のA-5を作ってみました。2015年出たA-8 ProfiPACKに続き、翌2016年にA-5のProfiPACKとWEEKEND editionの2種、heavy fighterとLight Fighterが出ました。WEEKEND editionの2種の違いは、主翼外翼の武装の有無で、主翼下面パーツが異なります。次のパーツ写真で、下手前の主翼下面にふくらみのあるのがheavy fighterのパーツで、上奥のふくらみがないのがLight Fighterです。ProfiPACKはこれらのランナーが両方とも入っているので、どちらでも好みのタイプを作ることができます。



組み立て
全体的によくFw190の姿を再現していると思います。
機首・エンジンカウリングの組み立てについて、胴体左右を貼り合わせるときにエンジン前面も接着し、それらと主翼下面と一体になっているカウリング下面を接着、さらに機首上面のカバーや弾道溝のパーツを接着していくので、ズレや段差が生じないように注意が必要です。
プロペラについては、強制冷却ファンの軸をエンジンに差し込むだけなので、抜け落ちないように加工しました。
胴体左中央部の足掛けのパーツは、それを取り付けるところの穴に落とし込んでしまったので、穴をパテ埋めして収納状態ということにしてあります。
脚カバーは2種類用意されています。NC900のA-5タイプでは、胴体側のタイヤカバー付きのものが多いようなのでそちらを選んでいます。


主脚については、写真をみるとオレオのカバーが付いているものが多いようですが、キットはカバーなしのものだけです。オレオカバーを自作するのも大変なので、オレオ部分を黒っぽく塗って胡麻化しています。かつてのFw190のキットというと、オレオカバーを付けた状態のものがスタンダードでした。
アンテナ線は省略しています。
塗装したところで、ネットで集めた実機写真を見直したところ、主翼の武装は外されていたようで銃身が見えるものがありませんでした。しかし、今回作ったキットは武装パーツを付けたままにしています。

塗装とマーキング
参考文献2の第30章に外国使用機が取り上げられていて、その「フランス」のページにNC900の説明があります。そこにあるNC900の写真キャプションによると、塗装は全面ダークグレーだったとのことです。
このダークグレーがどんな色かは不明ですが、NC900は独軍のストック塗料を使ったという話もあるので、RLM74を塗っておきました。


全体塗装についての別見解
ただ、機体の塗装に関してネットで調べているとき、MDGモデルから2012年に出たS.N.C.A.C NC.900 Armée de l’Air 1/72 (No.72004)というキットでは、次の4機の塗装図とデカールが用意されていることがわかりました。(このキットはアドミラルから出ていたFw190に、新たなデカールを追加したもののようです。)
1.No.23 ノルマンディ・ニーメン 1946 上面RLM70とRLM71、下面と機首RLM65
2.No.62 フランス空軍 1947 全面ブラック
3.No.29 ノルマンディ・ニーメン 1946 全面オリーブドラブANA613
4.No.37 フランス空軍 1948 全面ライトグリーン
 NC900のモノクロ写真を見ると、それぞれそのような色に見える写真がありますが、同じ色でも撮影条件によってかなり違った色のように見えることもあります。実際はどうだったのかはよくわかりません。

コックピット内はRLM66で塗っています。
脚カバーの内側等もはっきりしませんがRLM02にしておきました。下面と同色のように見える写真もありますが。
主脚柱は、写真ではかなり明るく写っているものが多かったので、シルバーに塗っています。上にも書いたようにオレオは黒っぽく(ジャーマングレー)を塗っておきました。

デカールは国籍マークのラウンデルのみ貼りました。適当なものがなかなか見つからず、主翼のものは少し大きめでしたが、エアロマスターの1/48のアルジェのテキサンのものを使いました。胴体のものは少し小さいですが、英国のモデルアートデカールシステムから適当に選びました。
写真では注意書きの類が見えないので、それらのデカールは貼っていません。
ラダーの記号等は省略するつもりでしたが、何もないとフランス機らしさに欠けるように感じたので、できる範囲でやってみました。上から「NC」と「900」、1行開けて型を示す「TYPE A5(あるいはA8など)」、さらに1行開けて「No.〇〇」のように機番が記入されています。デカールのジャンクボックスから使えそうなものを探してきました。なお、「TYPE A5」のうち「YPE」については省略しています。



 Home>NC900フランス製のFw190A (エデュアルド 1/72 Fw190 A-5)>特集 世界の名機コレクションシリーズNo.21 Fw190A>2026年7月号

Amazon 各カテゴリー 検索へ
Amazonプラモデル 飛行機の検索へ
Amazonプラモデル ミリタリーの検索へ
Amazonプラモデル 車の検索へ
Amazonプラモデル 船の検索へ
Amazonプラモデル ガンダムの検索へ
Amazonプラモデル 工具・塗料・材料の検索へ
Amazon 本の検索へ
Amazon プラモデル Fw190

Vol.215  2026 July   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集3


7月号 TOTAL PAGE view