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零戦21型 (童友社 1/32)

  by 加藤 寛之



 開発はトミーで、零戦21型の初発売は1974年晩秋くらいか。紫電改、疾風、ムスタングに続いて発売された。プロペラを回して走らせるか、スケールモデルにするかを選択できるという面白いキットだった。とんでもない着想のように思われる方もあろうが、当時ではスケールモデルとして充分に良質なキットだった。だが、玩具メーカーのイメージと、走るというオモチャ的な工夫があったことが、大いに損へとはたらいたのではないか。さらに、レベル社の32シリーズ新製品の品質が怪しくなって32ブームが急速に萎んだタイミングの悪さも重なったように思う。金型が童友社に移ってからはスケールモデルに絞って販売されているようだ。
このキットは、『航空ファン』1975年1月号の新キット紹介「あてんしょんぷりいず」で橋本喜久男氏が紹介している。『航空ファン』や『世界の傑作機』に掲載された橋本氏の図面に忠実なモデルだとして、「零戦の決定版といえる優秀キット」と評している。
ワールドホビーショップはせがわの店主さんがこのキットを作って飾るというので、私も便乗して作ることにした。店主さんは灰色の機体なので、私は緑にしてみた。



 1/32スケールとはいっても50年前のものだから、細かなパーツはほとんどない。コックピットは「まあこうだよね」という程度の構成。それを堅牢な構造で胴体へ組み込む。案内板を確実に奥まで押し込み、胴体の太さを充分に絞って作る。これが主翼の上反角を決める。
主翼パーツは酷く捩れていた(胴体もそっていた)。これは購入して寒暖差の激しい倉庫に長年積んでおいた私が原因だと思う。これを、内側へプラ板を貼ったり、壁にニッパーを入れて拡げたりと、かなり強引に矯正した。ヒビが3か所にも入ったが、まあ何とかまとめた。上述の橋本記事にもあるのだが、この主翼にはねじり下げがしっかりとつけられている。だから、後ろから見ると胴体近くで上面が見えるのに、翼端では下面が見える。前方からみると、日の丸位置付近がちょっとこっちを向いているのが分かる。50年前のキットなのに、この再現は立派。もちろん、主脚辺りまでは厚く、そこから薄くなる、主翼の厚み変化もちゃんとつくっている。トミー、凄いぞ! そうだ、前縁の機関砲口は一旦埋めて開け直したな。
胴体と主翼の接着は、下面の前後を先に接着。特に前は胴体の線とよく合わせて整形を最小限にする。上面は胴体と僅かな隙間がでるが、これは上反角をつけるとピタリと合う。



  垂直尾翼は、内側を削って少し薄くした。
プロペラは、キットの事情で幅が広すぎる。私は狭く削り始めたが断面形の修正に手間取りそうだったので、ちょっと改善くらいでOKとした。
風防は、完成後にも開閉選択して遊べる。その関係で深い溝やレールはあるが、プラモで遊ぼう的でなかなか面白い。
主輪のホイールは、表裏を見て似ているように思えるように組んでみた。軸受けの飛び出しがそのままだったのややマズく、これは削っておくべきだった(まあ、いいや、言わなければ誰も気付かないだろうし)。
上述の橋本記事には細かな修正点の指摘はあるのだが、私はどうでもイイやと思って、そのまま作った。



  塗装は、上側面をMr.カラー16番の濃緑色、下面は35番の明灰白色(三菱系)。カウリングは、125番カウリングをそのまま使った。コックピット内部はテキトウな暗い灰色。胴体の波状塗りわけで考えると、モトは全面灰色だったのかもしれないし、それならば生産期間が長かった中島製かもしれないが、そんなことはどうでもよい。私は、零戦のプラモデルをこういう色で作ってきたのだ。
デカールは使用の限界だったが、なんとか貼った。まあOKだ。
 50年前の金型だから、いろいろ難はある。それでも充分に零戦21型だ。実機の零戦の特徴は沈頭鋲による表面の滑らかさだからキットの強い鋲表現には気になるが、これはこれで模型っぽさがあって悪くない。読者の皆様はどう感じられます?


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