
ブルガリアのデヴォアティーヌ D.520 (タミヤ 1/48)
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| by 平針みなみ HIRABARI Minami |

タミヤ1/48のデヴォアティーヌD.520は、1996年9月に発売されたので、もう30年も前に出たものです。
D.520の1/48のキットとしては、1994年にLTDモデルから簡易インジェクションキットが出ましたが、まさか2年後にタミヤから出るとは思わず、2個買ってしまいました。
D.520の1/48キットとして、タミヤのキットは大変貴重なものですが、残念ながら生産休止となっています。
今回作るにあたって仏独機以外にしようと思い、ブルガリア機を作ることにしました。幸いなことに手元にD.520用のエアロマスターデカール48-300 Dewoitine D.520’s, Pt.3 があり、これにはフランス以外のイタリア機2種、ブルガリア機2種(国籍マークが枢軸国時代のものとその直後のものと2種類)、ドイツ機1種の5機分がセットされています。この中から枢軸国ブルガリアの国籍マークを使って、デカールの指定とは別の機体を作ることにしました。この「白い四角形の中に黒いX」の国籍マークは1941年から1944年9月まで使われたものです。
今回作った機体は、第6戦闘飛行連隊 第1航空大隊 第612ヤト(ヤトはスコードロン相当)所属の「白(フチなし)14」ということで、Bulgarian Fighter Colours 1919-1948 Vol.2, MMP BOOKS, 2020に側面図と写真1枚が掲載されています。
数字の色はヤトで決まっていて、他の2つのヤトは緑と赤、大隊本部は黄となっています。フチ付きの数字は第2大隊の所属機で、数字の色は第1大隊と同じです。なお、白、緑、赤はブルガリアの国旗の色です。
タミヤのD.520キットは、最近のキットと比べるとパーツ数がかなり少なくシンプルで、組立精度が高いことと相まって簡単にその姿を再現できます。
このキットでは、キャノピーやフラップ、ラジエターカウルのシャッターが開閉選択式であり、スピンナーや胴体背面のアンテナはそれぞれ2種類セットされていて、作ろうとする機体の選択の幅が広がります。 |

製作
〇コックピット内の色について
まず、キットの組立説明書に従ってコックピットを組み立て、計器盤のデカールを貼ったりするのですが、ここで問題が発生。海外のフォーラムで、コックピット内部の色について、各メーカーでナイトブルー、ダークグレイ、ライトグリーンなどまちまちな色を指定しているが実際はどうだったのかという質問が出ていました。
これに対して、「機内色はブルー・ド・ニュイという非常に濃い青」という意見が寄せられ、別の人からは「機体番号350以前はライトグレーまたはダークグリーンで、機体番号351以降生産終了まではダークブルーが使用されていた。」という情報が寄せられていました。
私の所蔵している資料 “Dewoitine D 520” Valentini, D’Amicoほか著, DTU, 1997でも、”blue-nuit” (night blue)としています。
ブルガリアで使われた機体は後期生産型のようなので、コックピット内や操縦席後方の窓から見える部分は、暗い青で塗りました。
なお、AIによるおすすめカラーは、クレオスのH326(サンダーバーズカラー)、タミヤならばXF-17 シーブルーに少し黒を混ぜて暗くする、というものでした。 |

〇組み立てにあたっての留意点
・D.520をはじめフランス機では、通信機の使っている無線周波数の関係でアンテナ空中線は不要となっています。ブルガリアで使用された機についても同様です。
・ブルガリア機には、胴体下面の起倒式アンテナが付いていません。(ドイツ機についても同様ですが、例外も存在します。)
・スピンナーは、キットに入っている2種のうち小さい方を使いました。ブルガリア機では、写真で見る限りこちらがメインです。
・D.520のプロペラは、ラティエ製とショヴィエール製の2種類(どちらも直径3メートル)です。これについて、資料によって「主にラティエ製のもので、後期型の一部の機体ではショヴィエール製も使用されました。」といっているものがあれば、「機体の製造番号によって明確に使い分けられていました。ラティエは1号機から350号機、ショヴィエールは第351号機以降。」というものもありました。いずれにせよ、ブルガリア機は基本的にショヴィエールのプロペラではないかと思います。プロペラブレードが写っている写真を見ると、ショヴィエール社の円形のロゴマークをよく見かけます。
・ブルガリア機のプロペラブレードは、黒く塗られているか、ナチュラルメタルのままで、ブレードの先端はドイツ機同様黄色などには塗られていません。
・脚庫の内側、脚カバーの内側、脚注などは、機体下面色で塗装されていたようです。
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迷彩塗装とマーキング

ブルガリアのD.520は、ドイツ占領下のフランスで生産されたもののようで、機体はドイツ空軍での使用を前提としたものになっており、迷彩塗装は上面RLM74、RLM75、下面RLM76がデフォルトのようなので、SDEソリッドカラーのG4、G5、G6で塗りました。
機体を運用しているうちにブルガリアで部分的にリペイントされたということです。上面は1、2色のグリーン、下面はライトグレーともいわれています。これらのカラーについてははっきりしないのですが、RLM71、RLM70等のRLMカラーが使われたのか、それともブルガリア独自のカラーだったのかという問題があります。
今回の「白14」については、迷彩パターンがわかる資料がなかったので、翼上面などは他機の例(部分的に見えている)も参考に塗っています。
黄色(RLM04)に塗られている箇所は、機首下面、主翼端下面(幅は1メートルと想定しています)、ラダー、エレベーター。(ブルガリア機では胴体の黄帯の例はないとのこと。胴体に帯があるのは白帯。)
この機では垂直尾翼の前よりの付け根部分が明るい色に塗られています。この色も詳細は不明ですが適当なライトグレーを塗りました。他の複数の機でも同じように塗られているので、何らかの指示によるものだったのかもしれません。なお、D.520のブルガリア到着時には、そのように塗られた機はなかったそうです。
「白14」の写真では、手前に写っている人物の腕でスピンナーが隠れてしまっていて、その色やスパイラルの有無などは不明ですが、MMPの本ではダークグリーンと推定していたのでRLM71で塗っておきました。
プロペラブレードは黒く塗り、エアロマスターデカールのショヴィエール社のロゴマークを貼ってみました。
数字の「14」は、2ミリほどの幅の白デカールを適当に切り貼りしました。
垂直尾翼中ほどの三角マーク、その中に2段にわたって数字が記入されています。MMP本では、「白14」は上38、下7077となっていますが、これはブルガリア機のシリアルナンバーで、1937年から1968年に使われていたシステムによるものだそうです。三角形の下の4桁の数字は、7000から始まる機種ごとの数字で、D.520では「7077」です。上の数字はその機種における機体の一連番号です。ということなでのエアロマスターデカールの「6/5055」は、上の数字の6はともかく下の数字は誤りです。しかし、イメージ優先ということでそのまま貼っています。
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