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<日本航空史> 流星改
by
加藤 寛之
プラモデル コラム
<日本航空史>で書くことは、資料本の記事だけでは書かず、何かその機体のモノを私が持っていることを条件にしている。でも、モノはないが、書きたいことだってある。そういう時はプラモデルを作って「モノ」としている。今回の日本航空史のためにソード(Sword)1/72の「流星改」を作ったので、これで勘弁してもらいたい。
古い資料本に試製流星1号機は楕円翼と書いたものがあるが、これは『航空ファン』1964年4月号で設計技師の尾崎紀男氏が否定している。同記事には製造数も書いてあり、流星と流星改の製造数は計111機。試作1機・増加試作8機・愛知82機・空廠20機。制式は「流星改」なのだろうが、現場は「流星」だったようだ。だから、なにかと実感を尊重される方は「流星」と表現するのもオススメ。
流星は製造数が少ないにもかかわらず、相違点が多々見つかる。
実験段階から関わった方の手記に試製流星1号機について「黄色」と表現しているから、試験段階の機体色は黄橙色でよしとしたい。問題は量産が始まってからになる。大雑把な推定をすれば、流星の初期塗装は、上側面の日の丸は白縁付きで、主脚柱は無塗装、主翼前縁の黄色の幅が広い。たぶんごく初期は斜めに黒の防幻塗装がある。実戦配備のころは、日の丸の白縁が塗りつぶされる。主脚柱は黒かも。主翼前縁の黄色の幅は機関砲位置に届かないほど細いものが見られるし、前縁の黄色がフィレットにも及んで塗ってある機体もある。さらにあげれば、主翼下面の日の丸には白縁の有無がみられる。胴体の上下色の塗りわけ方は真っ直ぐと波形があり、波形は機体によって相違する。主翼前縁下面への上面色の回り込みもいろいろある。下面色は無塗装と見られるものもある。主脚カバーにある加重目安の線は青と赤の帯状のものと小さな赤線がある。水平尾翼にある白線は、前1/3くらいだけの短いのもある。尾輪付根カバーの形は少なくとも2種。プロペラにも、一般的な全面塗装と基部だけ無塗装のものがある。主翼の機関砲は取り外した機体もあるが、必要なときは装着したようだ。主脚のオレオ部分は、カバーをつけた状態が標準かもしれない。スピンナーは、茶色とは限らない。機体内部色は、2種類あったことが知られている。これらの違いは、製造工場の違いも要因かもしれない。実戦配備期間が短いにもかかわらず、塗装剥離が著しい機体がある。フラップを下げると水平尾翼の取付角が変わるだけでなくエルロンも下がる設計だが、エルロンの機構は配備後に外したそうだ。
もう、何がなんだか分からないのだ。じゃあ、模型としてどうすればよいか。私はテキトウにアレンジして作っている。
蛇足になるが、当時の日本機の色について、『航空ファン』1967年7月号の投稿欄に元戦闘搭乗者からこんな内容が寄せられている。流星に絞ったことではないが、こう書いてある。
「新造機の機内は確かに銀青色の防剤がほどこされていましたが、各部隊において使用中に油や土のよごれによる、激しい機内清掃作業のために、座席内の防蝕塗装はほとんどはげ落ち、大半のものはジュラルミンそのものの肌が出ていましたので、モデル作成上ピカピカの新造機を作るときは銀青色、よごしをほどこした機体のときはアルミ色のみで良いと思います。」
「当時の陸海軍の塗装は(中略)製作会社、使用部隊、または塗装の時期により、大変マチマチの色がありました。」
ますます何だかわからない。結局、前述の“テキトウに作るか”という考え方にも妥当性がある。
最後に、この記事の参考にした主な資料をあげておく。
『航空ファン』1964年4月号、1967年6月号、1967年7月号1978年1月号、1979年1月号
『世界の傑作機 日本海軍機写真集』1974年2月号臨時増刊
『世界の航空機』1953年7月号、1953年10月号
『日本海軍艦上攻撃機』モデルアート平成13年1月号臨時増刊
(以前に私が投稿したプラモデルの流星改の記事はこちら)
Webモデラーズ2010年10月号 試製流星 増加試作機
Webモデラーズ2023年5月号 試製流星
折角だからソード(Sword)1/72の「流星改」についてちょっとだけ。キットの表面モールドは凹線がダルく、特に主翼上面の見栄えが今ひとつ…なのだが、実機の主翼表面はとても滑らかだから許容できないものでもない。それと…アンテナ柱が高すぎるかな。
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