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  日本航空機製造 YS-11 (バンダイ・今井科学 1/72)

by 小山新一



 YS-11の開発の経緯とその後については、たとえばウィキペディアをみれば、ほぼ必要にして十分な記述が掲載されている。ここでは、それらの記述を参考に、モデラーに興味のありそうなポイントのみを記したい。
製造者 日本航空機製造
初飛行 1962・8・30
生産数 182機
運用開始1965・3・30
現在 空自の電子作戦機YS-11EB以外退役している。
 YS‐11は、1956年通産省主導で航空機製造を日本の先端産業として育成すべくスタートした。1957年に、官民合同の「財団法人 輸送機設計研究会」が設立され、旧軍用機メーカーの実力者五人が招集された(通称五人のサムライである)。その五人を掲げる。( )内は所属したメーカー名と、担当した代表的機体である
 堀越二郎(三菱 零戦)  土井武夫(川崎 飛燕)
 太田 稔(中島 隼 )  木村秀政(航研 航研機)  菊原静男(川西 二式大艇)
 顔ぶれが殆ど旧軍用機の設計者だが、戦後のGHQによる航空機開発禁止期間のブランクを考えれば、やむを得ぬ人選であったろう。機体名のYは輸送機の頭文字Y、Sは設計の頭文字をとったそうな。11の初めの1は搭載候補エンジンに付された番号で、次の1は機体仕様候補の番号であったという。どちらも複数の候補から選定されているとのことだ。 



 さて、前記五人のサムライに、プラス1ともいうべき人物を加えておきたい。五人のサムライは設計担当のみで、実機の製作にはノータッチであった。この、実機製作のリーダーとして三菱から技術部長として出向してきた人物が、東條輝雄であった。この六人目のサムライこそは、苗字が示すように戦時内閣を率いた陸軍大将東條英樹の次男である。東京帝大航空学科卒、1937(昭和12)三菱航空機製造に入社、堀越二郎のもと零戦の開発チームにも加わっている。五人プラスワンのサムライたちは、みな旧軍軍用機に携わったせいもあって、YS-11の機体の安全係数が高くとってあったという。すなわち、頑丈だが重くアンダー・パワー気味であった。ある人のいうには、クラウンの車体に軽のエンジンを積んだようだったとのことだ。
 後年、東條輝雄は三菱自動車の会長にまで昇りつめている。彼が開発にタッチした車種にパジェロがあるといえば、何となくYS-11との連続性があるような気がせぬでもない。
 一つ、これだけはつけ加えて置きたい。それは、「本機が今なお戦後の日本が開発・運用した唯一の国産旅客機である」ことだ。あとが続かなかったことは残念というしかない。



(模型の制作)
 オリジナルはイマイの製品である。正式に今井科学と書くとオールド・モデラーのノスタルジアをくすぐるのではないか。イマイからバンダイに移った経緯と時期は不明である。航空情報のプラモガイド1971版には、すでにメーカーがバンダイと記されている。 



イマイのボックスは遠い昔、模型店でみたことがある。旅客機バージョンであった。バンダイ版は座席パーツをすべてオミットした海自、海上保安庁仕様になっている。迷わず海自の塗装にしたのは、この塗装の機体に2度、体験搭乗させてもらった体験があったからだ。 



昔のキットなので、仮組みしてみると可動部はガタガタなのでみな固定の方針で組んでいく。主脚は固定だが複雑な支柱類を細かく再現してあるため、後付け不可能と判断、説明書通りに主翼接着時に所定の位置にがっちり固着する。  



  塗装は胴体上面のホワイトを、クレオスのキャラクター・ホワイトの缶スプレーで吹いたほかは、みな筆塗で仕上げた。デカールが、驚くべし一部をのぞき皆使用可で、貼れて助かった。密着度もよく、主翼や胴体のリベット・ラインにしっかりなじんでくれた。デカールを使わなかった(使えなかった)のが、胴体の白とライト・ガルグレーの境の黒ラインである。いささか太いのと、ほぼ完成した胴体にスライドしたデカールを真っすぐはるのは至難のわざとわかり、別の素材をさがした。みつけたのが、「罫線引きテープ(幅1ミリ)」という奴で、ホワイト・ボードに黒い枠を引くものだった。のり付きだからそのまま貼れるので、胴体左右がいとも短時間で仕上がった。



写真の最後はchatGPTに「これを飛行シーンにして」と頼んで作らせたものである。AI恐るべし、か。 




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