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アブロ アンソンMk.1 

小柳 篤司    コヤナギアツシ       . 
 イギリス機第1回目は少々渋い機種アブロ・アンソンです。
撮影時期:2009年2月15日
撮影場所:ダックスフォード戦争博物館 http://duxford.iwm.org.uk/

 実機解説
 アブロ・アンソン (Avro Anson)とは、英国のアブロ社が開発した双発機で第二次大戦中、英国の他英連邦諸国を始め世界各国で、哨戒機、輸送機、練習機等、幅広い任務に就き「アニー」の愛称で呼ばれました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Avro_Anson

アブロ・アンソンの原型となったアブロ652旅客機は、アブロ・ランカスター爆撃機の設計者として有名な、ロイ・チャドウィック氏を中心としたアブロ社の設計チームが開発し試作機は1934年に初飛行した。アブロ社はアブロ652を元にした偵察爆撃機を英空軍を提示し、1935年3月24日に初飛行した原型一号機はライバルのデ・ハビランド・ドラゴンラピードとの競作に勝ち軍の注文を得た。
 最初の量産型アンソンMk.1は1936年3月6日から沿岸航空隊に配属され、第二次大戦開戦時には12個飛行隊に配属されていた。操縦性は良好だったが、装備エンジンが350馬力のアームストロング・シドレー・チーター2基では哨戒機として非力、胴体と翼の構造が鋼管羽布張りでは1941年末には旧式だったので、アメリカ製のハドソン哨戒機が配備されると、アンソンは航法、射撃練習機として使われた。戦後は胴体を太く翼を全金属製に再設計したシリーズ2が軍民向けに生産され、英空軍最後の機体は1968年7月に退役した。
 参考資料 Warpaint series No.53 AVRO ANSON Mks,1-22 http://www.warpaint-books.com/

 ダックスフォード戦争博物館に展示されている機体は、イギリス国内で唯一完全な姿で現存するアンソンMk.1です。1938年に製造され戦後は民間に払い下げられましたが、1972年11月に着陸事故を起こしダックスフォード戦争博物館に送られました。2001年に同館へ行った時はレストア中でしたが、2009年にはレストアが完了していました。


機体全景
博物館の回廊上から俯瞰で撮りました。主翼は直線テーパーです。


前部胴体左側面と左翼前縁
キャノピー前面角度が判ります。初期はなだらかでしたが、後に写真の機体の様な急角度になりました。


左側エンジン・カウリング外側
A.S.チーターを装備したアンソンMk.1のカウリングはコブ付きですが、この機体のカウリングにはコブが有りません。
1972年まで現役だったのでエンジンを換装したのかも知れません。


右側エンジン・カウリング内側
内翼下面に爆弾槽が見えます。


左側エンジン・カウリング内側
集合排気管は左右ともカウリングの内側です。


機首右側
Warpaint AVRO ANSONには機首固定機銃は左側に1丁だけと書かれていますが、
この機体には左右両側に付いています。


右側エンジン・カウリング外側
右翼前縁に着陸灯が見えます。


右翼後縁
補助翼上下に作動アーム、上にはマスバランスが付いています。


後部胴体側面
ビッカース機銃を装備したアームストロング・ホイットワース銃座です。
写真では見えませんが、銃身は後部胴体上面に収まる様になっています。


尾翼
水平尾翼はシリーズ2の物に交換されている様です。



Vol.5 2009 June.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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