F-35はロッキードマーチン社製で、形態的にはF-22ラプターの流れを汲むステルス戦闘機でありまして、40,000lb級という単発戦闘機としては 世界最大の推力を持つエンジンF135ターボファンを搭載しており,海軍型CTOLのC型と海兵隊型STOLVのB型があります。
B型は垂直離着陸も可能とするため、可変式エンジン排気口方式で、なんと排気口がグルンと真下に向けられるようになっています。また、胴体中央にリフトファンを装備し、安定したホバリングと垂直離着陸を可能としております。
当初は2008年からの配備開始を目標に、量産試作機の開発計画が進んでおりましたが、2008年から数年間、アメリカを震源とした全世界を巻き込む大不況があり、開発計画は大幅に遅れました。
このため、やっと、2012年に海軍向けのC型の量産が開始され、米海兵隊では2014年からハリアーに代えて垂直離着陸可能なB型の実戦配備が進んでおります。 |
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米海兵隊のB型の主脚は当初 A6イントルーダーのものが流用されておりましたが、STOLV型の大きな沈下率に耐えるため、新設計のものが採用されています。F-35は当初の重量見積もりが甘く、重量増加のため機能を削るなど開発に相当苦労し、結局、B型は、総ウエポン量15,000lbでC型よりも20%くらい少なくなっています。
また、B型はイギリスでもハリアーGR5/7の後継として当初150機導入の予定でしたが、予算難と毎度おなじみの機体価格の高騰により、調達数の大幅な削減が予想されているのが残念なところです。
海軍のC型の方はというと、空母着艦の必要上、アレスティングフック装備の他、主翼は面積を34%増積し、折りたたみ翼となり、外翼にもエレベーターを装備しています。水平尾翼も大型化し、高揚力装置を各所に装備し、低速安定特性を向上させています。B型に比べると一回り大型になった印象です。 |