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Big キット作り倒し (第3回) 
Bf109G-14  (ハセガワ 1/32)

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi

 押入れを占領するBigキットを作り倒し バーンとスペースを空けようというBigな連載コーナー。
 1/32と限らず、巨大な箱なら なんでも取り出します。
 デビスモンサンにモスポールされた可哀想なBigキットが再び、皆様のお役に立ちます。
 
   第3回目は ハセガワ 1/32の Bf109G-14
G-6のバリエーションですが、2002年に発売された当時は、大きな話題になったので、どこのご家庭の押入れにも、必ず 一箱はモスポールされているはず。
 実機がコンパクトなので、完成しても 嵩張りません。ストレートに作っても なかなかの仕上がりになるので、お奨めであります。



■実機について
 G-10の就役が 大幅に遅れたため、1944年5月に つなぎとして生産が開始されたのが、 DB-605AMに 中高度以下で使用するMW 50パワーブーストを 追加装備して、出力向上を図った Bf109G-14です。
 96オクタンの C3燃料を使うため、胴体のパワーブースト用燃料口に C3指定マークが入っています。
実質的には G-6/U3を量産型とした機体で、5000機近くが生産されました。
 尾部には G-6と同じ金属製尾部と、垂直尾翼が大型化された木製尾部の 両者があります。
 キャノピーは G-10用にEria社が開発した ”エルラ・ハウベ”とよばれる 枠が少なく、後端まで 一体で開くものが 装備されたものもあります。しかし、連合軍の空爆によるラインの混乱で、仕様は一定していない とされています。
 
 ■キットの印象
 第1回で取り上げた Fw-190D9同様、1/32を簡単に組めるコンセプトで 設計されたキットだけあって、パーツ点数が少なく、部品の合いは抜群。 表面はリベットもなく、凹パネルラインだけの あっさりキットですが、修正点がなく、48よりも 楽に組める といった印象のキットです。
 作例は 木製大型尾翼、エルラハウベキャノピー装備機として、リベットを 全面に追加しています。
 別売りデカールが 各社から たくさん発売されていて、作例のデカールは イーグルカルのものを 使用しています。

筆者は G-6とあわせ、3機目の完成で、ずらっとならべて派手に楽しんでおり、更にG-6が2機、製作進行中であります。
 
 それでは、製作に入ってゆきましょう。





■コクピットの製作
 飛行機モデルでは ここを作らなければ始まらない コクピットですが、部品点数も少なく、塗装をキチッとするだけで 実感抜群のものが 出来上ります。(写真1) 
 指定どおりに 胴体内部と床板、座席などを全て RLM66ブラックグレー(MrカラーNo.116)で 塗装し、 後は、各部をチマチマと塗りわけ。多少のフイックションも有りです。最後に、軽く ドライブラシをかけておきました。黄色いホースが よいアクセントになります。
  計器板は デカールを貼るも良し。デカールを使わずに、(写真2)のように 細筆で塗装しても 32は大きいので 目が楽です。 
塗装の場合は、 全面ブラックグレーで計器は黒。
目盛りと針が 白か夜光緑 といったところです。ところどころ、黄色と赤でアクセントがつきます。
(写真1) コクピットは追加工作せずとも、
塗装だけで ここまでの出来になる。


(写真2) 塗装した計器板
■ リベット追加
  リベット打ちは、まず全面を1000番のサフェーサーで塗装し、十分乾燥させた後、行っています。
 まず、図面を見ながら、鉛筆でリベットラインを下書きします。
透明プラ板で 長さ10cmくらいの テンプレートを 作っておくと やりやすいでしょう。
この下書き線の上に、テンプレートを当てながら、リベットを ゆっくりと 打ってゆきます。
 
 最近は 写真の 「リベットルーレット」が 楽チンなので 使っています。これを使うと、あんなに苦痛だったリベット打ちが、短時間で できてしまいます。

 
(写真5) リベット・ルーレット
■ 塗装
 塗装は、パネルラインと パネル部で 微妙なグラディエーション表現をするために まず、パネルラインとリベットラインの上を ブラックグレー(MrカラーNo.116で 先に 吹き付けておきます。
 そして、この暗いグレー部分を 少し 残すように パネルの中に 機体色を エアブラシで 吹いて行くと、結果的に グラディエーションがつきます。最後に 全面に 薄く 同色を吹きつけ、グラディエーションを なじませると、上品になります。
塗装は キット説明書指定どおり、
下面 RLM76 ライトブルー     Mrカラー特色117番.
上面 RLM74 グレーグリーン   同 No36
    RLM75 グレーバイオレット 同 No.37
を使いました。
この No.36とNo.37は リニューアルされていて、昔とは 色合いが 全然変わっています。 ラベルをよく見て 買い直してみてください。

作例の機体のように、機首と胴体に RLM04イエローのバンドがある場合は、発色をよくするために、白で下塗りした上に、イエローを塗装するとよいでしょう。
(写真6) 下面は RLM76 で グラディエーションがつくように 塗装すると 実感が増す。

(写真7) 胴体も RLM76 でグラディエーションをつけて 塗装している。


(写真8) イエローのバンドは 胴体塗装前に 白で下塗りした上に塗装すると発色がよい。



■ 上面のモットリング塗装の コツ
 上面 RLM74 グレーグリーン   同 No36
    RLM75 グレーバイオレット 同 No.37
胴体側面のモットリングも この2色を使って エアブラシで吹いてゆきます。まず先に、RLM74 グレーグリーンの モットリングを 吹きます。
 さて、モットリングのコツですが、一つの斑点を その大きさのまま、いきなり 吹くのではなく、エア圧を絞って、ごく小さい斑点を 5つか6つ吹いて、一つの斑点にするようにします。すると、大きさや形を 自由に コントロールできるようになります。(写真9)
 
 次に、 その上に重なるように 薄く、RLM75 グレーバイオレットで 小さい斑点をつけて行きます。すると、色が微妙に なじんでゆくのが 感じられると思います。
 斑点が大きくなりすぎた場合は、後で 下地の ライトグレーをからませるように 吹いて 修正すれば OKです。

しっかり乾燥させた後、油彩の茶系ローアンバーなどを使って スミイレをしておきますと、パネルラインがはっきりとします。エルロンなどの可動部には 濃い目にして 使います。
(写真9) 機首のモットリング  (写真10)胴体のモットリング 

(写真11) 機体上面の塗装が完了したところ


(写真12)


デカール 完成
 マーキングは 別売りの イーグルカルデカールを 使用しています。少し厚めですが、白も下地が透けず、黒などの印刷も はっきりしていて 良いデカールです。 Mr.マークセッターと マークソフターを使って、 キッに しっかりとなじませて、デカールの周りの透明部は 乾燥後 できるだけ カミソリで 切り取っておきます。
最後に、デカールの保護のため 全面に フラットクリアを吹き付けて、塗装は完了です。
 
小物取り付け
 プロペラスピナーの うずまきは、結局、下書きをして、塗装しました。
 主脚は、取り付け角度に注意しながら 接着しますが、根元に 最初から 補強の金属線を 入れておいた方が よいでしょう。
ループアンテナは 洋白薄板で自作。特徴的な主翼下アンテナも、金属で作り変えています。 シートベルトは 板鉛で追加しておきました。
 
 モットリング塗装のメッサーは 凄みがありますね。 
ハセガワのこの新シリーズは、1/32とはいえ、拍子抜けするぐらい 簡単に 完成する割りには プロポーションがよく、誰にでも 素晴らしい完成品が楽しめると 思います。

 ぜひ あなたのキットを 押入れから出してきて 完成させて みてください。 モスポールされた 可哀想なキットが あなたのプラモライフに きっと お役に立つことは 間違いありません。








 

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Vol.3 2009 Apr.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
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