BACライトニングは イングリッシュ・エレクトリック社(後のBAC社)が設計したイギリス初の超音速戦闘機です。1954年に原型P.1Aが初飛行し、3回目の飛行でマッハ1を超えました。
極めて特徴的なデザインで、矢羽型の60度の後退翼、「鯉のぼり」のように あんぐりと大きく開いた機首のエアインテーク、縦置きにした双発エンジン。 まるでSF、サンダーバードか謎の円盤UFOを想像させます。
このエンジンと機首から伸びるエアダクトが 機体容積のほとんどを占めるため、燃料を積むスペースがほとんど無く、防空戦闘機として運用を開始した後も、航続距離の短さに泣くことになりました。
ちなみに 第1エンジンは主翼の下、第2エンジンは主翼の後ろ上に 互い違いに装備されていますので、縦長楕円の胴体形状になっています。 |
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F.1Aは F.1の改良型で、アビオニクスの更新により、胴体下側面に 長い配線カバーが張り出しています。
下腹の着脱式燃料タンクは小型のままですが、左翼下面に空中給油用の受油プローブを装備着脱できるように 改造されています。1960年に初飛行し、28機が生産されました。 武装は 機首に30mmアデン砲2門。空対空ミサイルとして ファイアストリーク もしくは レッドトップ AAMを2発装備できます。
F.1Aで 最も有名なのが 本誌作例の「ファイアーバード」です。第56スコードロン内に 公式デモンストレーション・チームとして編成されています 。
各翼前縁を 炎のような派手なREDに塗り、各地の航空ショーで 8機の見事なダイアモンド編隊を見せ、人気となりました。
「ファイアーバード」に使われた機体は、F.1Aのレーダーをはずして、機首にバラストを積み、給油プローブも 装備しておりません。さすが、渋チンの英国であります。 |