[実機について]
F9F-2パンサーは朝鮮戦争で活躍した米海軍の直線翼のジェット戦闘機です。一方米海軍は写真偵察機については、朝鮮戦争が勃発した1950年当時、レシプロ偵察機しか装備しておらず、低速のため 初陣でF-4U-4Pコルセアが撃墜されたのを初め、被害が増大し続けました。 このため、急遽、F9F-2パンサーをアラメダの海軍施設内で写真偵察機に改造して、50年10月から実戦投入されたのが、F9F-2Pです。
改造内容は 機首の 20mmGUN兵装の撤去。その代わりにノーズコーンにバラストと垂直用カメラ1基、斜め写真用1基を左側に装備しました。
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改造機数は30機以上で、VC-61,VC-62に配備され、空母プリンストンのVC-61 分遣隊の3機のF9F-2Pが10月からさっそく実戦に参加しています。
ただ、カメラの性能から 実戦では目標上空高度5000ft以下、速度150~200ktという低空低速飛行を余儀無くされ、せっかくのジェット機の速度を生かせず、対空砲火でかなりの機数が撃墜されてしまっています。 偵察機は、濃密な対空放火のど真ん中に単機でつっこんでいくのですから、タフなミッションであったことは確かであります。 |