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連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第4回)

ACEモデル1/72
F-101B「ヴードゥー」

by 鳥巣 Torisu           / 
    
 初めに
今年の夏は雲が多く暑い夏の青空を拝めませんでした
そんな空を迎撃する為に今月はACEモデル・F-101B「ヴードゥー」を紹介します。


<実機解説>
 F-101ほどF-100からF-106まで続くセンチュリーシリーズの中で開発用途が二転三転した機体は珍しい
 当初は冷戦時代の幕開けと共に発足した戦略航空団(SAC)の爆撃機の護衛として1953年に発注され翌54年にはYF―101が初フライトした。しかし多発するトラブルに見舞われたあげくSACから戦術航空団(TAC)へ配備先を変更されるなど運用方法が決まらないまま護衛戦闘機・戦術戦闘機へ用途が変更され空中戦には不適合と判断されたのち偵察型へと改造された流転の機体である。その中でもF-101BはF-101の持つ長い後続距離と高速性能に注目した防空軍団(ADC)が当時使用していたF-89とこれから配備されるF-106の間を補う戦闘機として開発された。
 
 ADCでの運用は1960年に開始されたが運用飛行隊の多くが運用コストの高騰で1968年に使用を停止した後州空軍の3つの飛行隊で1983年まで使用された。なおNORAD(北米防空組織)を構成するカナダ空軍でも合計120機以上が配備され1986年には全ての機体はF-18に更新された



<キット解説>
 このキット元は1990年代にモノグラムから新製品として発売された物と金型が同じです。モノグラムが韓国の金型メーカーに発注して商品化したようです。このF-101以外にもF-89・F-104Cが有りますがACEのブランドで確認できたのはF-101とF-89だけです。
 キットの表面は繊細な凹掘りです
難点なのは肉厚が少し気になるキャノピーと発色の良くないデカールです。
ACEモデルは日本に代理店が無いので輸入品を専門に取り扱うショップでしか手に入りません。購入したい方は模型誌等に載っている専門店にお問い合わせ下さい。
       
     
 
 


製作記事

<コクピットから>
計器パネル・コクピットフローアー・射出座席・の3点構成です。
パネルにはモールドが無くデカールも入って入なかったのでストックのデカールからハセガワのF-4を取り出し使用しました
色はクレオス72番エァークラフトグレーを全体に塗りサイドコンソーロールには黒を塗った上に銀のドライブラシを施しました。

 

<組み立て>

 入念な仮組を行えば簡単です。
今回は特徴のあるエァーインテークと胴体と翼の接合部分・機首周りに隙間と段ズレが生じたので余分な所にパテを盛り付けないようにマスキングテープで盛り付けをする箇所の両側に貼りポリパテを盛り付けます。
 紙ヤスリの400~1500番を使い大きなキズや凹みが無いのを確認したらサフを吹き付けて1日乾燥させます。


<塗装とマーキング>

 消えたモールドを掘り直したら塗装に入ります
当初米軍のADC塗装を考えましたがデカールが手元にないので箱絵の「カナダ空軍」の全面ホワイトカラーにしました。
 下地にクレオス69番グランプリホワイトを全面に吹き付けた後1日完全乾燥させたらメイン塗装としてクレオス104番キャラクターホワイト(青味が入っています)を吹き付け明るいホワイトを表現しました。
こちらも1日完全乾燥させたらインテイク・尾翼・レドームをクレオス92番セミグロスブラックで塗り分けます。
 仕上げにエナメルの黒でウオッシングを施しメリハリを付けました。
ウオッシングが乾いたらマーキングを施します
デカールに航法灯パネルや一部足りないデカールがあったのでコクピット用に切りだしたF-4のデカールから流用しました。
外国キットはデカールがいい加減な物が多いので予備のジャンクデカールは重宝します






<完成>
脚やエァーブレーキ・ファルコンミサイル等の小物部品を着け終わったら
半光沢クリァーを吹き付けて完成です。
開発当初はその独特の形状から失敗作と言われ続けたF-101ですが
エンジンを並列に並べ、大きく突き出したビーバーティルそして大きな機首にタンデム式コクピット等後の名機F-4ファントムの成功に繋がる機体として
F―4と並べて見るのも一興です


このたびACE社の貴重なF-101のキットを製作する機会を与えてくれた編集部に感謝です。







Vol.8 2009 Sept.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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