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          Lockheed Martin F-22A Raptor

at Yokota Air Base on Aug. 23, 2009

by Kiyoshi Iwama


 今年の横田基地フレンドシップ・デーにはF-22Aが展示されるというハプニングがあった。国内での公開は、プレス公開を除くと7月4日の嘉手納基地オープンハウスでの展示が最初で、今回は本土での初公開ということになる。しかし、セキュリティー上の理由で、今年のパリのエアー・ショーにも不参加を決めた米空軍。どうして横田で公開したのであろうか?そんな疑問が残るものの我々航空ファンにとっては、嬉しい2日間であった。今後の公開としては、三沢基地などが期待できるところであるが、果たしてどうなるのか。予測の難しいところである。
 さて横田基地で公開されたF-22Aラプターについて少し述べておく。今回公開された機体は、尾翼の”FF”のテール・コードが示すように、バージニア州ラングレイ空軍基地から沖縄の嘉手納基地に展開中の米空軍第1戦闘航空団・第94戦闘飛行隊(1FW/94FS)の所属機である。2機が飛来したが、向かって右側に展示された機体(05-4101)の尾翼には「1FW」の文字が記載されており、1FWの司令官指定機である。またシリアルナンバーから、05-4101の機体は、ロット5のブロック30、もう1機の04-4078はLRIP(低レート初期生産)ロットのブロック20の機体であることが分かる。
 では順を追って写真を紹介する。

1. ブラスト・デフレクターの前に置かれたF-22A(05-4101)。ウェポン・ベイも閉まっており、全体的にのっぺりしている。
従来機体から出っ張っていた通信用や航法用のアンテナ類が全てアレイ化され、機体や翼の表面に埋め込まれてしまったためである。

2. 機体を正面からアップして見る。主翼と胴体のブレンディングの様子が よく分かる。

3. パイロットと主翼の位置を比較すると、F-22がF-15に比べ随分背の低い機体であることが分かる。

4. もう1機のF-22A(04-4078)。キャノピーが金色、もしくは銅色に輝き、この角度ではコクピットの中が見えない。
電磁シールドが他機より一層強化されているということか。

5. 正面から見る。張り出したレドームのエッジから主翼に流れるラインがよく分かる。
また胴体が縦長のダイヤモンドから、機首に向かって横長のダイヤモンドに変わっていく様子も分かる。
またキャノピーと胴体とがスムーズなラインでつながっている。それにしても胴体の大きさにしては短足な機体だ。

6. F-22A(04-4078)を向かって左側から見る。インテークから後胴部にかけ胴体のラインは逐次変化していく。
レーダ波の散乱を考えての形状かもしれない。

7. 05-4101の前胴部。インテークの上部に色の変わった部分が見えるが、手前の小さい方がブリードエアーの排気口。
上の大きい方が冷却空気の排気ダクト。いずれも細かいメッシュの板が貼られているようである。

8. 機首レドームのクローズアップ。レドームの取り付けラインが分かりにくい。
色が変わっているぎざぎざのラインの少し後ろに薄くラインが見える。恐らく、ぎざぎざのラインまでレーダ波の吸収塗料が使用されているのであろう。
この中にはNorthrop Grumman/Raytheon製のAN/APG-77 AESAレーダが収納されている。

9. 逆方向から機首を眺める。キャノピーの前方、中心ラインに小さな窓が見える。
これはミサイル発射時の探知用の窓。

10. さらに正面からアップにする。レドームのエッジ部分をライトニングストリップが走っている。
先端のところで左右に分かれているので、レドーム先端には金属チップが入っている可能性がある。

11. 一体型のキャノピー。この距離からだと少し内部が見えるが、それでも他の機種に比べると不透明。
側面同様にキャノピー前後も胴体形状とほぼ連続したラインでつながっているのが分かる。
キャノピーの下方、胴体エッジの下に見えるのは、エレクトロ・ルミネッセンスの編隊灯。
その下のパネルは、アビオニクス・ベイの扉。

12. あまりよく見えないが前脚収納部と扉。インテークと胴体のつなぎ部分(下部)が少し分かる。
前脚扉の前方に見える色が薄くなった部分は、CNIのアンテナカバーと思われる。

13. 前脚。シンプルな構造で、短い。脚扉には、マシュー・モロイ大佐とある。
インテイク・リップは意外に鋭い。

14. インテークを斜め横から見る。内側には境界層を吸入するためのメッシュ部が見える。

15. 左側エアー・インテイクを正面から見る。胴体とエアー・インテイクの隙間に、小さな空気取り入れ口が見える。
インテイク・カバーをみるとダクトの形状は平行四辺形だ。

16. 胴体中央部。前方がウェポン・ベイの扉。その後ろに主脚。主脚は外側に畳み込まれる。
これもシンプルな構造である。主脚扉の前後縁は胴体と面一ではなく楔形の段差がある。

17. ウェポン・ベイの部分。ウェポン・ベイ上部扉の上にある排気口に排気の跡が付着している。
また上下の扉の隙間からも上方に向かって排気の跡が見える。
注意書きやマークは機体塗装色との濃淡の差がなく、非常に見難いのが分かる。

18. 左主脚のクローズアップ。脚扉と脚柱との連結状態が分かる。

19. 右主脚を正面方向からアップで撮る。主脚の角度や、油圧配管の状況、後部胴体のライン等が分かる。
エンジンノズルにはカバーがかかっている。

20. 後部胴体と垂直尾翼。垂直尾翼前縁の上部に編隊灯が見える。
後方に水平尾翼が少し見えるが、これも大きい。

21. 左垂直尾翼のアップ。大きく、薄い。エッジも鋭い。水平尾翼も同様である。
垂直尾翼端には分かりにくいがフィンベルトが描かれている。

 

Vol.8 2009 Sept.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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